Googleのスマホ版418 Errorページはティーポットが傾きに連動する

GoogleのHTTPステータスコード418を返すページは、スマートフォンの傾きに応じてティーポットが傾きます。

私たちが普段使っているインターネットでは、ブラウザーとサーバーとのやり取りがあり、その時の通信結果に応じて、ブラウザーはステータスコードをサーバーから受け取ります。例えば、普通にページを表示できるときは「200 OK」(成功)を受け取っています。アクセスが禁止されているページの場合は「403 Forbidden」、ページが見つからなかったときは「404 Not Found」、サーバー内部でエラーが発生したときは「500 Internal Server Error」 というように、成功したか失敗したかと、その理由を番号で表したコードを受け取っています。

このステータスコードの中に418番というのがあります。400番代はクライアント1エラーに関するコードですが、418というのは「I’m a teapot」と言って、「ティーポットにコーヒーを淹れさせようとして、拒否されたときに返す」エラーとなっています。「インターネットとティーポット?」と思うかもしれませんが、これは1998年のエイプリルフールにジョークで設定されたステータスコードです2。そのジョークのコードを実際に返すウェブページがGoogleのページにあります。

https://www.google.com/teapot

このページにアクセスするとティーポットが表示され、ブラウザーは418というエラーコードをサーバーから受け取ります。アクセスするツールによっては「不明なエラー」となる場合もあるようですが、いま出回っているブラウザーならページを表示することができます。

パソコンで表示しているときは、ティーポットにマウスオーバーすると表情が変わり、クリックするとカップにティーを注ぎます。

このページをスマートフォンで表示すると、タップしても何も反応はないのですが、スマートフォンを左右に傾けると、傾けた方向にティーポットが同じように傾きます。

スマートフォンを傾けたときの418エラー。

スマートフォンを傾けたときの418エラー。

左側に傾けた418エラーページのティーポット。

左側に傾けた418エラーページのティーポット。

カップにティーを注ぐティーポット。

カップにティーを注ぐティーポット。

カップをいっぱいにするティーポット。

カップをいっぱいにするティーポット。

パソコンでアクセスしたときとは違った動作をわざわざ実装するなんて、なんとも粋なことです。

あとがき

Googleの418エラーページはちゃんと418を返すので、記事にリンクを貼ったら、WordPressのプラグインBroken Link Checkerが「不明なエラー」を返してきて、リンクに取り消し線を漏れなくつけてくれましたので、エラーではないという指定をしてあげました。

こういうジョークRFCは結構発表されていて、中には「鳥類キャリアによるIP」と言って、伝書鳩を使ってInternet Protocolのデータ通信を行う、といったものもあります。なお、Wikipedia3によると、2001年に実際にノルウェーのLinuxグループが実験して、データの損失率55%、応答時間が3000〜6000秒で実用に耐えないことを実証しています。また、南アフリカのIT企業が行なった実験では、伝書鳩で4GBのデータ通信を行い、ブロードバンドが整備されていない環境において、インターネットの通信が伝書鳩に劣ることを証明しています4

伝書鳩にメモリーを付けて飛ばしたほうがデータ転送量が多いのは皮肉ですが、考えてみれば、昔はデータ転送速度が遅く、インターネットで動画を見るなんて考えられず、写真を見るのにもかなりの覚悟を要しました。現在のような光回線が整備されていなかった時代、電話回線を使ってインターネットに接続していました。当然、電話料金がかかります。当時、テレホーダイ5という23時から翌8時まで定額で使えるプランがあり、みんなそれに契約をして、23時になったら一斉にインターネットに接続したので、23時から2時までは回線が重かったりしたものです。通信速度はアナログモデムを使用して56kbpsです。メガじゃないですよ。キロです。しかも、インターネットに接続中は、当然のことながら電話は使えません。写真なんてメールに添付しようものならクレームの嵐です。HTMLメールなんて送った日には、もう怒られる怒られる。

その頃は、みんなプロバイダーや無料のホームページサービスのサイトに、自分でHTMLを書いてアップロードし、自分の趣味を共有したりしていました。インターネットで何かを発信するにはある程度のリテラシーが必要になるため、いまのような炎上することは少なかったと思います。ネチケット6なんて言葉もあり、みなマナーを守って掲示板やニュースグループなどで発言するのが一般的でした。

ISDNやADSL、そして光回線が出てきて、さらにはモバイル通信の高速化が進み、テレホ7で寝不足な人が多く量産されていた時代は終わりを告げます。もう、夜中まで起きていなくても、いつでもインターネットにアクセスできるのです。また、ケータイをはじめ、スマートフォンの登場により、インターネットの一般化が起きます。もはや、インターネットは一部の趣味の人のものではなく、誰でもアクセスできるものになりました。パソコンがないとインターネットに接続できないというハードルが取り払われ、携帯端末があれば簡単に高速回線でインターネットにアクセスできます。こうした技術革新がなければ、いま流行りのYouTuber8なんて職業は生まれなかったでしょうし、そもそも動画を共有するなんてサイトは存在し得なかったと思います。

インターネットが一般化してきて、誰もがその恩恵を受けることができるようになり、どんどん生活は豊かになってきています。もちろん、いろいろな問題もありますが、この流れが止まることはないでしょう。これからも想像すらしなかったような面白い世界を見せてくれることを期待しながら、インターネットと向き合っていきたいと思います。

  1. 受け取り手、つまり自分側。
  2. Hyper Text Coffee Pot Control Protocolの中のステータスコード。
  3. 鳥類キャリアによるIP – Wikipedia参照。
  4. 南アの通信会社、データ伝送の速度で伝書鳩に敗北 | Reuters参照。
  5. わぁお、まだサービスしているぞ! テレホーダイ|よくかける電話番号への電話料金を安くしたい(加入電話)|割引サービス|割引・オプション|電話トップ|Web116.jp|NTT東日本参照。
  6. ネットのエチケットを略してネチケットと呼ばれていました。もう死語かもしれませんね。
  7. テレホーダイのことをこう略していました。
  8. 女の子抱き放題みたいだね。

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