バベルの塔展に行ってきた!
ピーテル・ブリューゲル1世が描いた「バベルの塔」。2作目のバベルの塔が来日しているということで、上野恩賜公園内にある東京都美術館に行ってきました。
東京駅から山手線か京浜東北線で上野に向かうことができます。平日の午後に東京駅に到着し、快速運転中の京浜東北線で上野に向かいました。
目次
東京都美術館へいざ!
公園口改札を出ると目の前はすぐに上野恩賜公園。平日の上野公園は学生が多いです。修学旅行生なのでしょうか、さまざまな制服の学生がいます。
スターバックスって、前なかったよね。いつ進出したのでしょうか。
上野公園は美術館や動物園、博物館、大学と芸術系全部入りな公園ですね。それぞれの施設にカフェやレストランもあり、上野精養軒があり、さらにスタバって、どんだけ詰め込むのでしょうか。そのうち、住宅なんかできてひとつの街のようになったら面白いかもしれませんね。芸術家が住めばいいんじゃないかな。
スターバックスの脇の道を歩いていくと、東京都美術館の建物が見えてきます。バベルの塔のポスターが出てくるのでわかりやすいです。
美術館では音声ガイダンスを
音声ガイダンスを借りることをオススメしたいです。ガイダンスを聴きながら見るのと、何気なく見るのでは絵の見方が変わってきます。
案内があることで、見落としがちなポイントを見ることができたり、細かい文字を読まなくても絵の概要を理解できたりします。
ちなみに声は雨宮塔子(バベルの塔子らしい)、森川智之となっています。価格は520円です。雨宮さんが冒頭のさわりを喋って、森川さんがナレーターとして解説を読み上げたり、役になり切ってセリフを言ったりしています。今回の展示のキャラクターである「タラ夫」の、当時流行ったことわざ特集も収録されていますので、聞き応えはあるかと思います。
あと、入り口ではバックパックは前にかけるように案内されました。
ブリューゲル以前も
展示の内容は、ブリューゲルが活躍する以前の時代のものから、ブリューゲルに至るまでの絵画が展示されています。
15世紀、16世紀のネーデルランドの作品から、ヒエロニスム・ボス、ピーテル・ブリューゲルと展示は続いています。ボスの作品は2点来日しています。ブリューゲルの作品に関しては、ほとんどが版画で下絵をブリューゲルが担当したというものですが、唯一、全行程を担当した「野ウサギ狩り」もあります。ピーテル・ブリューゲルまでの前座が長いですが、ブリューゲルの関連する絵画の一連の流れで見ることができますので、よかったと思います。
「フォンセカ家の若い男の肖像」の展示を前にして鑑賞していたら、うしろのほうから小声で「ふかわりょう! ふかわりょう!」と会話する声が聞こえてきたのが印象的でした。うん、確かに似てる気がします。
バベルの塔は人だかり
今回見ることができるバベルの塔はボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館所蔵のバベルの塔、いわゆる小バベルです。ウィーン美術史美術館の大バベルのほうがメジャーかなと思います。美術の教科書などで見るバベルの塔も大バベルです。
大バベル – Wikimediaより。
小バベル – Wikimediaより。
大バベル、小バベルの呼び名は絵画の大きさからきているようですが、小バベルのほうが精密だと言われています。
解説を聞きながら見ていると、いろいろ学べるものがあります。例えば、窓の形が違うのは、階によって年代の違いを表現していて、長年かけて作られていることを表しているそうです。また、上のほうが赤いのはレンガが新しいからで、下のほうは色がかわっるほど年月が変わっていることを表現しているそうです。
当時の画家って、意外に芸が細かいんですね。
ちなみに、バベルの塔の周りは人だかりで、近くに行くまで時間がかかります。観賞も、ひとりひとりがよく見たいので時間をかけるため、回転は遅めです。この辺は覚悟しておいたほうがいいでしょう。半円形の台座で絵画の周りの立ち入りを制限していて、列を作っているわけではないので、反対側からも鑑賞できます。
グッズ買いまくった
出口にあるミュージアムショップでは、今回のバベルの塔展に関連するグッズが販売されています。展覧会図録をはじめ、クリアケースやTシャツなどの定番アイテムが並びます。トートバッグや壁に掛けられる小さなキャンバス額装、バベルの塔のモチーフのシフォンケーキまであります。タオルは丸められて、中央のほうに塔を見立てて並べられています。
私は普段、展覧会図録以外はスルーするのですが、今回は好きな作品であることもあり、グッズを買いまくってしまいました。
- タオル オブ バベル: 550円。
- スノードーム: 780円。
- Tシャツ: 3,200円。
- 展覧会図録: 2,500円。
- キャンバスアート: 5,200円。
- トートバッグ: 3,200円。
しめて、15,430円。クレジットカードはVISAとMasterCardが使えます。なお、「混雑緩和のためクレジットカードのご利用は1万円以上からでお願いします」とのことですが、これはカード会社の加盟店規約的にいいんでしょうか? カードが使える価格の加減を設定するのはNGだったと思うのですが。私は1万円を超えたので、カードで支払いました。
なお、図録にはバベルの塔の原寸大ポスターが入っています。しかも、作りが豪華でとても2,500円とは思えません。グッズに興味がない人でも、図録だけは買っておくべきでしょう。
撮影コーナーもある
展示の出口を抜けると撮影コーナーが見えてきます。
バベルの塔を現代の建物の高さと比べた図がありました。推定が510mだそうなので、東京タワーより高く、東京スカイツリーよりも低い高さです。ただ、幅は広そうです。
タラ夫もいます。「大きな魚は小さな魚を食う」に登場する足の生えた魚です。
ミュージアムカフェはコラボメニューあり
東京都美術館内にはカフェとふたつのレストランがあります。いずれの店もバベルの塔展のコラボメニューを出しています。美術館内のレストラン、カフェは上野精養軒が運営しています。レストランでは、オランダを代表する伝統料理が、カフェではワッフルのバベルの塔盛りが味わえます。
私が行ったときは昼食どきを過ぎていたためか、すんなりと入ることができました。ランチの時間帯は人が多いと思います。カフェは激混みでしたが、レストランは余裕で入ることができ、窓際のいい席に座ることができました。
上野駅のecuteでもコラボメニューが展開
上野駅のecuteでコラボのメニューがあるとのサイネージを見つけました。
7月2日まで行われるようです。バベルの塔をモチーフにした料理が食べられるらしいです。まあ、ほとんどが高く積み上げた系でしょうけど。SNSやブログのネタにはできそうです。
バベルの塔展
東京会場
- 2017年4月18日〜2017年7月2日
- 会場: 東京都美術館 企画展示室
東京都台東区上野公園8-36 - 時間: 9:30~17:30、金曜日は20:00まで
- 休室日: 月曜日
ウェブサイト: http://babel2017.jp
大阪会場の国立国際美術館でも行われますが2017年7月18日からですので、情報はリンクにしておきます。
大阪会場
あとがき
バベルの塔は子供の頃に美術の教科書に掲載されていた絵を見て好きになりました。教科書に載っていたのは大バベルのほうで、今回見たものではないですが、ブリューゲルの本物の絵画に触れることができたのは貴重な体験でした。海外の美術館にある作品は海外旅行に行かなくては鑑賞できないので、こうして作品が来日してくれるのはありがたいことです。ただ、これ目当てで現地の美術館に行った人はどう思っているのだろうと、いつも思います。事前に、この期間は日本に行くからきてもないよって告知するんでしょうかね。
美術展って人が多くて見づらいのですが、慣れた人は単眼鏡を持ってきていました。なるほど、単眼鏡があれば人だかりのあいだからも細かい部分を鑑賞することができます。せっかく行ったからひとつひとつちゃんと鑑賞したいものです。しかし、人だかりで鑑賞するためには、前の人が進むまで待たなくてはいけません。前の人もゆっくり鑑賞したいので、なかなか前に進みません。長時間立ったままで疲れてきますし、美術館を出るまでかなりの時間が経ってしまいます。単眼鏡があれば離れたところでも細かい部分を鑑賞できるので、全体の鑑賞時間の短縮にもつながるのではないでしょうか。思い入れのある作品は目の前で見たいものですが、前座だったりする作品は遠くから単眼鏡で鑑賞すれば、スムーズにクライマックスまで進むことができます。
展示を見終わって美術館内を歩いていたら、こんなポスターを見つけました。
「画家一家 150年の系譜 ブリューゲル展」と名のついた展示が2018年1月23日〜2018年4月1日に東京都美術館で行われるようです。ブリューゲル一家の作品が見られるみたいですので、ブリューゲルつながりで行ってもいいかもしれませんね。