ぶらり、のほほんおやぢの旅 ~函館編~

ぶらり、のほほんおやぢの旅 ~札幌編~」より。

函館では青函連絡船の摩周丸、戊辰戦争の戦いである五稜郭の戦いの部隊になった五稜郭、日本で最初の女子修道院であるトラピスチヌ修道院、函館山からの夜景と慌ただしい日程をこなした。煉瓦造りの町並みやおいしいジンギスカンも堪能でき充実した時間であった。

特急北斗で函館へ

日付は9月18日、札幌にあるホテル「札幌アスペンホテル」で朝食を済ませると、8時40分頃にはチェックアウトして駅に向かった。札幌から函館に向かう。函館までは北斗8号で3時間半ほどかかる。北斗8号は183系の車両で最高速度は120km/hだ。特急で3時間半もかかるのだから、北海道がいかに広大なのかということがわかる。また、窓の外を見ているとほとんど各駅停車の通過待ちや追い越しを目撃することがない。すれ違う電車も特急が多い。北海道では特急のほうが多く運用されているのではないだろうかと思わせる。

そして特急北斗では途中の長万部駅で名物のかにめしの積み込みがある。かにめしは予約制であらかじめ予約しておくか、車内で予約もできる。車内で予約する場合は長万部到着の1時間前までに予約を完了しておく必要がある。そして、かにめしを頼むと北海道Kioskの緑茶「うらら」もついてくる。北海道ニセコ山系の水を使用しているそうだ。

「かなやのかにめし」の紙包みを取ると駅弁の木箱が出てくる。かにめしはご飯の上にカニのフレークが敷き詰められて椎茸と卵とグリーンピースが少々飾りとして添えられる。真ん中に梅干し、そのほかに佃煮と漬け物がついてくる。この佃煮がなかなかおいしかった。

食後のあとはデザートと相場が決まっている。車内販売で気になるアイスクリームがあったので頼むことにした。長万部を過ぎると函館までは残り時間も少なくなり、ちょうどアイスクリームを注文したときは車内販売のラストオーダーであった。注文したものは月替わりのアイスクリーム。どんなアイスが来るのかというと「幻の黒千石アイスクリーム」なんと320円。通常のアイスクリームが280円なので少し割高だ。黒千石というのは栄養素を多く含んだ北海道の「幻の大豆」だそうだ。JR北海道の車内誌「THE JR Hokkaido」9月号の中で「客室乗務員のおすすめの一品」として紹介されていて、きなこ風味に仕上がっているそうだ。食べてみると、確かに粉っぽいというか、チョコビスケット入りのアイスクリームを食べているようだった。

なお、車内販売ではスーパー北斗のチョロQも買うことができる。

青函連絡船「摩周丸」

函館駅には12時51分に到着。函館駅は終端の駅となっているため、函館を通過する電車はすべてスイッチバックとなる。ホームを出ると海とは反対方面の左側に向かって歩くと改札を出ることができる。改札を抜けると待合所があり、近くにはショップが並んでいる。待合所で五稜郭とトラピスチヌ修道院行きの観光バスを待つことになるが、時間があったのですぐ近くの摩周丸を見学することにした。

駅を出ると雨が強くなってきている。おまけに風も強い。台風が近づいてきている中での旅行だったため、天気は荒れ模様である。雨の中を歩いて海岸沿いに停泊してある函館市青函連絡船記念館「摩周丸」に向かった。入館料は500円。入り口で荷物を預かってもらってから館内を回ることにした。

一番左に銀河鉄道999の車掌さんが…

摩周丸は2隻あり、現在保存されている摩周丸は2代目である。1965年6月30日に就航して函館と青森を3時間50分ほどでつないだそうだ。その後、青函トンネルが開通するまで摩周丸は活躍した。船内は青函連絡船の歴史や船の仕組みを展示している。飾り毛布といわれる毛布を巧みに折りたたんで花などを表現していた展示が目を引いた。日本の折り紙文化を毛布に応用した例だ。また、甲板に出ることができるほか、船長やマリンガールの制服の展示や制服のコスプレ撮影コーナーがあった。マリンガールの制服を着てみたい衝動に駆られたが、さすがにやめておいた。甲板に出ることもできるので、摩周丸から函館の海を望むことができる。向こう側には海上自衛隊の艦船も見えた。

なお、入り口の売店では摩周丸のチョロQも買うことができる。

箱館奉行所と五稜郭

摩周丸を駆け足で見学したあと、函館駅に戻って少し待つと観光バスの案内が始まった。観光バスに乗って五稜郭へと向かう。函館の町中はいまだに路面電車が走っており、函館市の地方公営企業である函館市企業局交通部が運営している。古い車両から最新の「らっくる号」なるちょっと近代的なデザインの車両、昔の車両を再現した「箱館ハイカラ號」などひとつひとつデザインが異なる車両が走っているそうだ。なお、帰ってからホームページで調べてみると、オリジナルグッズが販売しており、『鉄道むすめ』の「松風かれん」、箱館ハイカラ號車掌「柏木ゆの」のグッズも買える。地方は萌えに積極的だ。

五稜郭に着くとまずは五稜郭の見所と箱館奉行所に案内される。五稜郭には実際に使用された大砲の展示や設計者の武田斐三郎の顕彰碑を見て回る。武田斐三郎の顕彰碑は頭をなでると頭がよくなるといわれている。どおりで頭だけてかっているわけだ。もちろんなでておいた。

箱館奉行所は幕末に設置された。明治時代になると箱館奉行所は解体されたが2006年から復元工事を開始して2010年に140年の時を越えて箱館奉行所を再現している。箱館奉行所の入館料は500円で、館内には歴史の資料や奉行所の再現した部屋を見ることができる。さすがにできたばかりでとても新しい。歴史紹介ゾーンの五稜郭の場所と形を紹介するところでGoogle Earthが使われているのには少し萎えた。Google先生、大活躍ですな。

なお、函館は以前はボックスの箱の字が使われていた。函館山の麓に築いた館が箱に似ているため箱館と呼ばれるようになった。そして、バスガイドさんの語りによると、明治に入って箱館戦争の苦い思い出を残さないようにとのことから現在の函館という名前になったそうだ。名前の由来には諸説あるようだが、美人バスガイドさんが語っているのだから信じる以外の選択肢はない。

五稜郭内の箱館奉行所を見学したあとは、五稜郭タワーに登って五稜郭を一望する。館内には土方歳三の像が飾られている。そして、ご当地アイドルがライブをやっていた。「北斗夢学院桜組」と「Jewel Kiss」との共同ライブだそうだ。北斗市をPRするためのユニットだそうだ。なお、おじさんには誰がどのユニットなのかの区別はつかない。なお、あとで調べたら当時のライブ映像がUSTREAMで公開されていた。地方自治体はがんばっている。

函館五稜郭タワーライブ 北斗夢学院桜組 & Jewel Kiss
http://www.ustream.tv/recorded/17345166

土方歳三の像とペアのアングルで写真を撮ってチケット売り場に向かう。タワーの展望チケットはバスガイドさんから手渡された割引チケットを使って760円だ。展望台からは五稜郭と函館の街が望めるほかは、基本はお土産ショップだ。

トラピスチヌ修道院

日本最初の女子修道院であるトラピスチヌ修道院には現在でも60名ほどの修道女が自給自足で暮らしており、外部との接触を許された4名以外は修道院から出ることなく、祈りと労働を行って暮らしているという。なお、別の場所に男子修道院であるトラピスト修道院というのもあるそうだ。

バスで行くと、周囲はもう観光用に整備されており、広大な駐車場や売店がある。なお、修道院の内部には立ち入ることができず、ぎりぎりのところから外観を臨むだけだ。修道院側から団体での写真撮影が禁止されており、3名以上の撮影は避けてもらいたいとのこと。基本的には静かな環境で暮らしたいのであろう。

入り口を抜けると大天使ミカエルが出迎える。何かを剣で突いているシーンの像だ。その後ろに聖母マリアさまの白い銅像が建っている。腕を広げて立っている。マリア像の後ろから階段を上っていくと修道院の建物を垣間見ることができる。あとは入り口付近にある売店によってそのままホテルに向かった。

ラビスタ函館ベイ

五稜郭、トラピスチヌ修道院を回ると宿泊先のホテルに向かった。ラビスタ函館ベイはホテルとスパが合わさったような場所だ。そして、30代のおやじがふたりで泊まる場所ではない。それぐらい館内がおしゃれに作られている。

大正ロマンをイメージして作られたという室内は、おやじがふたりで泊まるにはベッドの間隔が短すぎる。恋人同士仕様だ。窓は大きく開いて函館山を望むことができる。ベッドに寝転んで函館山を一望することができる。眼下には金森赤レンガ倉庫があり、室内からの眺めはすばらしいものがある。

部屋にはコーヒークッキーと冷蔵庫に無料の水が用意されている。コーヒーを入れるためのセットも用意されている。調度品のひとつひとつが大正ロマンのコンセプトに合うようなデザインになっている。

室内には部屋着とは別に館内着が用意されており、大浴場や朝食に行くときにラフな館内着で移動できる。大浴場に行くためのタオルセットもバスケットにセットで入っているところがにくい。宿泊客のちょっとした便利さ、あったらいいなをしっかりと形にしているところが感心できる。

エレベーターに乗ると、ドアが閉まるときに開くボタンが点滅する仕様もうならせた。ドアが閉まるとき、あとからエレベーターにかけてくる人のために開くボタンを押したつもりが、閉まるボタンを押し続けていた経験はないだろうか。ドアが閉まるときに開くボタンが点滅して、ドアを開くためのボタンを目立たせることは、エレベーターを利用する人のことをよく考えた仕様だと思う。

次の函館山での夜景鑑賞までは時間があったので、函館の街の雰囲気を満喫しながら旧イギリス領事館を見て回り羊羊亭(めいめいてい)でジンギスカンをいただいた。冷製カボチャスープは最高でおかわりした。

函館山の夜景

食後は部屋に戻ってデジタル一眼レフカメラと三脚を持ってホテルのロビーに移動した。ロビーで函館山へ向かう観光バスを待ち、五稜郭やトラピスチヌ修道院を回ったときと同じバスに乗って山頂に向かった。雨は降っていたが、霧はなく、寒かったこともあって空気も澄んでいて世界三大夜景のひとつに数えられる函館山の夜景を臨むことができた。

金森赤レンガ倉庫

函館山から戻ると雨もやんでいたので、夜の金森赤レンガ倉庫を撮影するために少し歩き回った。赤レンガ倉庫に暖色系の照明はやはり絵になるものだ。戻った時間が21時を過ぎていたので店は一部の飲食店を除いてほとんどが閉まっていたが美しい町並みを写真に収めることができた。