SNS十か条——TwitterやFacebook、Google+などで失敗しないために
SNSで不用意な情報を流して自分や他人を傷つけないための指針を挙げてみた。
誰もが何かしらのSNSにアカウントを持っている時代だが、誰しもSNSに関してどのように楽しめばいいのかレクチャーを受けたものはいない。SNSで不用意な情報を投稿したために自分や他人を傷つけてしまうことがある。そうならないために、どうしていけばいいのだろうか。
以前の「TwitterやFacebook、MixiなどのSNSでヘマをしないために下書きするという練習」という記事ではSNSに投稿する前に内容を紙に書き出してみようということを書いた。これは、勢い余って不用意な情報を投稿しないためにひと呼吸おいてほしかったからだ。だが、ひと呼吸おいたとしても、どのような情報を投稿すべきでないかという指針がなければそのまま投稿してしまい、紙に書いても書かなくても同じ状態になってしまう。
ここではSNSで注意すべき点を挙げる。投稿前の確認項目として参照してもらいたい。
- ハメを外したことは投稿しない
勢い余ってハメを外してしまうことは誰にだってあることだ。常識的に考えてこのぐらいは大丈夫だろうと思えることでも、それをSNSに投稿することで公にしてしまうと、炎上好きなネットユーザーのターゲットにされて中傷の嵐となり、ひどいときには自宅や職場に押し掛けたり、連絡してきたりとストーカーまがいの行為の犠牲になる。ハメを外したことは書くべきではない。例えば、未成年が飲酒したことを投稿すると、それがあと3時間ほどで20歳になり、お酒が飲める身分になるとしても炎上好きなネットユーザーはその3時間は許してくれない。 - 他人の情報を不用意に投稿しない
知人を駅で見かけたなどの情報を投稿するときは注意が必要だ。その知人は知り合いに内緒でそこにいるかもしれないからだ。それをSNSに投稿して公にすれば、知人の人間関係はボロボロになる。他人のプライベートな情報、個人情報は投稿すべきでない。それは他人のロケーションも含めてだ。むろん、これは知人だけではなく芸能人などにも当てはまる。芸能人を見かけたからといってその情報をSNSに投稿することは、芸能人のプライベートを侵害する行為である。 - 自分の情報を不用意に投稿しない
他人の情報もそうだが、自分の情報にも注意すべきだ。メールアドレスや電話番号などの個人情報、自分のロケーションを不用意に投稿すると自分の首を絞めることになる。例えば、会社や学校を病欠で休んでおきながらデート中であることをSNSに投稿してはいけない。 - 忙しいときはSNSにアクセスしない勇気を持つ
あなたの人生、やるべきことはたくさんあるはずだ。忙しくてどうしようもないときは無理にSNSにアクセスしなくてもいい。やるべきこと、やりたいこと、自分の人生において大切なことに専念すべきだ。SNSにアクセスすることは義務ではない。 - 身近な人をフォローするときは慎重に
身近にいる人のアカウントをフォローする、友達にくわえる、サークルにくわえるなど、情報を共有したい場合は慎重に行う。身近にいるから知りたくない情報、知らせたくない情報はたくさんあるはずだ。身近にいるならSNS以外の方法で連絡をとることもできるし、実際に会うこともできる。例えば、会社の上司をフォローしたときに上司が投稿するたびに「いいね」することが義務となってしまうようなら、そのフォローは間違っていたということだ。逆もまたしかりで、例えば女性社員が男性の上司にフォローされ、投稿のたびに「いいね」されて、つねに付け回されている感じで嫌になってくるようなら、フォローを許可したことは間違えていたということだ。SNSを経由することで、不用意な情報まで共有してしまい、ぎくしゃくした関係にならないように注意しよう。 - 他人の自由を尊重しよう
よくフォローしたらフォローし返すべきだとか、フォローされている人が少ないほうが多いほうの人に敬語を使うべきだとか、よくわからない俺様ルールを押し付ける人を見かける。SNSではさまざまな国や地域、人種、宗教観、世界観、地位、性別の異なる人がひとつのシステムを使う。もし、そのようなルールが必要ならSNSの機能として実装されているはずだ。実装されていないことをルールとして他人に強要するべきではない。あなたの常識は世界の非常識だ。 - 嫌な情報に振り回されないように
SNSにアクセスすると、自分にとって嫌な情報が舞い込んでくることがある。誰かが自分のことを悪く言っているのかもしれない。あるいは自分が過去に発言したことを否定してくるかもしれない。そのようなことでいちいち落ち込んだりするならSNSはやめるべきだろう。人はみな違い、誰しも異なる意見を持っている。また、世の中いい人ばかりでないのと同じように、SNSでもいい人ばかりでない。しょせんは他人の言うことだ。嫌なことだったらスルーしてしまおう。だが、人の意見を聞くことも勉強になることは付け加えておく。 - 情報はタイトルだけで判断しない
SNSにアクセスしているとニュース記事などの情報も飛び込んでくる。だが、情報をタイトルだけで判断して不必要に右往左往しているようすをよく見かける。内容をしっかり確認すればどうでもいいことでも、タイトルだけで衝撃を受けて大騒ぎして誤った情報を拡散してしまっている人は多い。情報をタイトルだけじゃなく、中身まで確認すれば、例えばネタサイトの嘘のネタニュースを本当のニュースと勘違いすることはない。条件反射する癖があるなら、ひと呼吸おいてみよう。それこそ紙に書くといいかもしれない。そして、その情報は本当だろうか、証拠はどこかと問いかけてみよう。 - 写真を投稿するときはジオタグ(位置情報)に気をつけろ
スマートフォンなどのモバイル端末で写真を撮るときに、GPSによる位置情報も一緒に記録しているなら、その写真をそのままSNSにアップロードすることは控えたほうがいいかもしれない。例えば、女性が「うちの猫がかわいいの」と自宅にいる猫の位置情報付きの写真をアップロードしてストーカー被害にあったとしても、それは自業自得だ。モバイル端末のカメラの設定は、位置情報を付与しないをデフォルトにしておいたほうが無難である。 - 写真を編集しても情報が隠れたと思うな
写真をアップロードするときに、個人を特定する情報を編集して隠したとする。「よし完璧!」と思ってアップロードしても情報が漏れることがある。デジタルカメラで撮影したJPEGファイルにはEXIFという規格の情報が書き込まれる。EXIFは撮影日やカメラの機種、メーカー、レンズの焦点距離、撮影時の露出、ホワイトバランスなどの写真に関するあらゆる設定が情報として書き込まれる。そしてその写真のサムネイル(縮小画像)も書き込まれるのだ。だから、写真を編集して公開したくない情報を隠したとしてもEXIFのサムネイルから漏れることもある。どうしてもその写真をアップロードしたいならEXIFを削除するツールを使うなどしたほうがいいだろう。
SNSに投稿することは「世界の中心で世界中に届く声で叫ぶ」に等しいと考えておいたほうがいい。
十分に注意しよう。