おせんころがしから安房小湊まで歩きました!

千葉県勝浦市にあるおせんころがしに行ってきました。
おせんころがしの歴史
おせんころがしに行ってきました。おせんころがしは千葉県勝浦市にある海沿いの崖で、簡単に言うと、おせんという女性が身を投じた場所です。
身を投じた話には諸説あります。
- 村民を苦しめる強欲な父を説得するために身を投じた。
- 村民が苦しい年貢を要求する豪族の父を殺害しようと計画し、その身代わりとなった。
- おせんを自分のもとに置いておきたいという代官の要求を断り続けた父の身代わりとなった。
- 病弱な父のために薬草を取りに行ったさいに誤って転落した。
勝浦市のウェブサイトで紹介されているのは1番です。
千葉県のウェブサイトで紹介されているのは2番と、3番です。
2番目のパターンの記事。
(勝浦市)お仙ころがし/千葉県
3番目のパターンの記事。
(勝浦市)おせんころがし/千葉県
いずれにしても、外房の断崖絶壁からひとりの女性が海に転落したという悲しいお話しです。
館山、安房鴨川経由で行川アイランドに向かう
東京からなら京葉線を利用して蘇我まで行き、蘇我からは外房線に乗り換えて行川アイランドで下車すればいいのですが、私は君津市在住なので君津からはどちらでもいけます。行きは館山経由で行くことにしました。
君津から館山までは各駅停車に揺られていきます。

館山駅の駅舎は南欧風です。館山市では南欧風のまちづくりを推進しているようです。
館山駅で乗り換えて安房鴨川まで行き、安房鴨川からは外房線に乗り換えて行川アイランドに向かいます。

「次は行川アイランド」という表示を見てワクテカしてきました。
行川アイランド跡地
外房線の駅に行川アイランドという駅があります。かつて、レジャー施設として存在した行川アイランドの最寄駅です。1964年8月13日に開園し、1970年7月2日には行川アイランド駅が開業、フラミンゴやホロホロチョウのショーなどがありました。プールやホテル、野外ステージもあったそうです。
1970年に鴨川シーワールドが開園すると入場者数が減少していき、1976年に会社更生法の適用を申請、個人経営だったものを日本冶金工業が経営を引き継ぎましたが、2001年3月26日に日本冶金工業の取締役会で閉園が決定し、2001年8月31日に閉園となりました。その後も休眠会社として存在した行川アイランドは2007年3月31日に解散となっています。
敷地は2004年3月に共立メンテナンスが4,200万円で買収して「ウエルネスの森」という複合リゾート施設の開発を目指したものの、世界金融危機後の景気低迷のため、2008年10月14日に勝浦市に開発計画の無期延期の申し出がなされて放置中とのことです。
園内には軍事施設の名残である謎のトンネルが複数残されているようです。
行川アイランド駅で下車します。

私以外にも何人か降りていきました。

駅名表示のひらがな部分と英語表記の部分が修正の跡があります。

駅舎は意外にきれいです。

行川アイランド駅の表記がある方角は山なので、正面からこの表記を見る人はあまりいないのではないかと思います。

駅舎内はベンチやゴミ箱も設置されています。

Suicaにも対応しています。Suicaの読み取り機は雨晒しです。
駅の乗員数は2007年まではデータがあります。JR東日本のウェブサイトには2000年に行川アイランドが登場するものの、それ以外は登場していません。というか、JR東日本のデータはテキトーだな。
それ以外は千葉県統計年鑑を見ればわかるのですが、2007年以降は無人駅の人員は公開しないようになったらしく、現在はどの程度この駅を利用する人がいるのかはわかりません。
駅を出ると目の前は国道128号線です。

国道128号線の看板。
この国道を左側に行くと行川アイランド跡地、右側に行くとおせんころがし、安房小湊方面です。

左側、上り方面に進んでいくと歩道橋が見えてきます。

この歩道橋は駅から行川アイランドの入り口部分まで続いています。

歩道橋の名前は浜行川(はまなめかわ)歩道橋というそうです。

歩道橋の上から行川アイランド方面を撮影しました。行川アイランドがまだ開園していたときは、家族連れがここを多く通ったのでしょう。

歩道橋の上から外房線を撮影しました。

入り口前の建物は崩れています。

行川アイランドに続くトンネルが見えてきました。

トンネルの上には赤字で行川アイランドの文字が書かれています。

トンネル内には鳥をかたどった飾りが続いています。

トンネル内の端には土が盛られて放置されています。

ここから先は封鎖されているため進めません。
お仙の碑
行川アイランドの跡地をあとにして駅のほうまで戻ってきます。駅から安房小湊方面に進んでいくとおせんころがしの看板が見えてきます。

おせんころがしは南西200mとあります。行川アイランドの部分は一度黒く塗られている形跡がありますが、落とされたのか落ちたのか、いまはまた東方200mとあります。

さらに進んでいくと、ホテル行川の看板が見えてきます。このホテル行川方面におせんころがしもあります。

国道を左に外れていくとホテル行川とおせんころがしに続く道が見えてきます。

ホテル行川の看板はふくろうです。

目の部分がランプになっていて、おそらく満室かどうかが分かる仕組みなんでしょうが、片目が壊れています。

左の道がおせんころがし、右の道がホテル行川です。

ちなみにホテル行川は休憩が4,000円、宿泊が7,000円だそうです。

おせんころがしへ続く道は草がぼうぼうに生えていて、行く手を防いでいます。

舗装されている道はあるので歩きにくいことはないです。

進んでいくと草はましになってきます。ぼうぼうになっているの入り口付近のみのようです。

お仙の碑がようやく見えてきました。




地図上におせんころがしとして掲載されている場所は、このお仙の碑が立っている場所ですが、実際はこの辺の崖一帯をおせんころがしというようです。

階段が途中で途切れています。

お仙の碑を階段の下から撮影。

すぐ横にお地蔵様も佇んでいます。

階段を登ってみました。

お参りできるようになっています。

ふと左側を見ると崖に通じる道と帽子が…

崖に向かう前に海側を撮影。うん、絶景です。こんな絶景に悲しいお話は似合いません。

いざ、崖のほうに!

いい眺めです!

崖の下です。怖い怖い!

怖いからNikon D5200のバリアングルモニターをフル活用して崖の下を撮影。

奥の草むらのほうに封鎖されたような場所がありますが、このへんは廃道の専門家のサイトで紹介されています。

おせんころがしのお話が書かれた勝浦市の説明書きです。
海側の写真をいくつか。



この日は天気がよくて気持ちがいい景色です。

おせんころがしの崖の険しさ。
おせんころがしを海側から何枚か撮影。



おせんさん、安らかに。



来た道を戻っていきます。ホテル行川らしき建物も見えてきます。
大沢漁港から
おせんころがしから国道128号線に戻ると、今度はトンネル側に向かいます。

トンネルは狭いながらも歩道がありますので、車の通りは多いですがそれほど怖さは感じません。

ちなみにこのトンネルは「おせんころがしトンネル」といいます。

トンネルを抜けたところにすぐバス停があります。トンネル出口付近でバスが停車してたりしますので追突要注意ですね。

バス停は「大沢」と書かれています。

バス停の横の階段を降りていくと…

階段に沿って左側におせんころがし旧道に続く道が見えてきます。






この先は廃道専門家のウェブサイトでご覧ください。

大沢港のほうに降りていきます。

ポツンと謎の施設が…

普通に漁港な感じです。
おせんころがしを見上げてみます。



昔はここを歩いていたんですね。
足を曲げた状態で飛んている鳶がいました。



拡大してみます。


これも拡大してみます。


漁港をあとにします。
安房小湊方面へ歩く
大沢漁港から安房小湊方面に歩いて行くことにします。そのまま行川アイランド駅に戻っても何にもないですからね。

漁港を抜けるところにトンネルが見えてきました。

トンネルの名前は大沢港隧道。

自動車1台ぐらいならいけるかな。

トンネルを抜けたところにミラーがあったので撮影しました。
安房小湊までは海沿いの道を歩いていきます。

プールみたいになっている場所。

水が透き通ってきれいです。

路肩弱しと落石注意の看板。


確かに落石がありそう。コンクリートで補強されているのでしょうか。

ガードレールがひときわきれいな場所がありました。

落石のおそれありと路肩弱しとあります。一度落ちたので新しく補強したのでしょうか。

海沿いはこんな感じです。

でも、海はきれいで気持ちがいい!

ガードレールが石造りの部分もあります。

いや、コンクリかな?

サメの背びれのような岩もあります。

アオサギの飛び立つ姿もありました。

サメの背びれのような岩の方面を広角で。

この辺一帯はイノシシ、シカの何かがかけてあります。何がかけてあるかは秘密ですけどね。

山のほうに入って行く道にトンネルが見えてきました。

トンネルの脇には鳥居があって何かが祀ってあるようですが、鳥居がパイプ製です。

トンネル、ISO100、手ぶれしていない。VRレンズすげー。

トンネルの反対側です。

山道を抜けると建物が見えてきました。この建物は廃墟となっているようです。


廃墟の入り口付近です。

そして、見えてきたのが誕生寺です。

山道を歩いている最中にトイレが限界に近づいてきましたが、ここで救われました。

誕生寺の足湯です。

飛び立とうとする鳶を激写!
あみもと
安房小湊の街に入ってきて、しばらく何も食べていないことに気がついたので、手近な店に入ることにしました。


誕生寺から安房小湊の街中に入って行ってしばらく歩いたところで「あみもと」という店に入りました。

注文したのは地魚フライ定食。

フライとなっている地魚はコチ、アジ、イシダイでした。
安房小湊駅
遅めの昼食をとったあと、安房小湊駅に向かいます。
安房小湊駅もSuicaに対応しているので、Suicaで入場し、ホームに向かう階段を登っていたのですが…

階段の段と段の隙間からうっすらと光が入ってくるのが見えます。大丈夫でしょうか。
ホームでは回送電車として停車していた255系を撮影して帰りました。




この車両は久しぶりに見ました。
ちなみに、帰りは蘇我経由で帰りました。外房線の一駅の区間は結構長く感じました。特急に乗って一駅でも乗り過ごすと、結構地獄ですね。
