男でも日傘を嗜む ~ 日傘紳士よ立ち上がれ
日傘といえば女性が持つイメージが強い。だが、日差しを防ぐ目的なら女性に限定されることはない。男性でも日傘によって日差しを防ぎ、少しでも快適に過ごそう。
夏が近づいてくるにつれて日差しが強くなってくる。紫外線による肌へのダメージや熱中症が気になってくる。直射日光を受ければ暑くなって体力を消耗する。常に車で行動しているのであれば問題ないが、公共交通機関を使って移動し、途中途中で太陽の下を歩かなければいけない人にとって、いかに直射日光に当たらないようにするかが重要になってくる。
そんなとき女性は日傘を差す。男性は無防備な格好で歩いている。男性は日傘を差さないのが当たり前とされている。だが、そんな当たり前のことこそ疑ってみる必要がある。なぜ男性は日傘を差さないのだろうか。男性でも日傘を差せばいいではないか。男性は日傘を差してはいけないと法律で定められているわけではない。男性でも日傘を差して直射日光を防げばいいではないか。
きっかけは去年の夏だった。彼女と歩いているときに、彼女がふと日傘の中に入れてくれた。それが予想以上に快適だった。女性はいつもこんな快適な空間を独占しているのか! 衝撃が走った。次の刹那、心は決まっていた。日傘を買おう!
男性用の日傘をネットで探してみると一応は存在する。だが、思いっきり二極化していた。低価格だけど恐ろしくダサいか、かっこいいが職人さん手作りでお高いかのどちらかだ。ダサいのは嫌なので、職人さん手作りのほうにした。価格は1万円以上はしたと思う。お手ごろ価格からかわいいデザインがそろっている女性ものとは大きな違いだ。まだまだ市場が小さいのだろう。
いざ日傘を差す段階になってビビった。さすがに男性は誰も日傘を差していない中でひとりだけ差すのは気が引ける。男は勇気だ! あえて異端児となろう! そう決めて日傘を差し続けた。慣れるまでに2週間ほどを要した。だが、慣れてしまえばこちらのものだ。
去年は特に暑い夏だったが、やはり直射日光を避けることができるのは大きい。ちょっと荷物になるかもしれないが、真夏に少しでも楽ができるのだ。あえて荷物を増やそうではないか。それに熱中症になれば命に関わる。身の安全を確保するためにも、今こそ日傘を持つべきではないだろうか。
そして男性が日傘を差すことが当たり前の世の中になっていけば嬉しい。日傘を持つ男として、今年はさらに日傘紳士が増えることを切に願っている。
健闘を祈る。