Canon EF50mm F1.8 IIがやってきた
単焦点レンズが前から欲しかった。だが、一眼レフ用のレンズは高額でなかなか手を出しづらい。そんなとき、このレンズと巡り会った。
撒き餌レンズという言葉がある。
安くて描写力の高いレンズのことをいい、この値段のレンズでこれほどきれいに撮影できるなら、高額なレンズだったらもっといいはずという発想に持ち込んで、さらに高額なレンズへと誘うためのメーカーの戦略的レンズだ。
Canon EF50mm F1.8 IIも撒き餌レンズだ。
Amazonで8500円ほどで購入した。前日の夜に注文して翌日には届いた。カメラのレンズで8500円である。一眼レフカメラのレンズは通常は安くても3万円ほどからで、高いものになるとカメラ本体の価格よりも高額な何十万というものもある。そんな中で8500円である。もろ撒き餌だ。
届いてすぐに実際に部屋の中で撮影を試みた。
湯飲みだ。さすがにF1.8という明るいレンズであるためか、被写界深度がかなり浅い。周りがかなりぼけて、まるでミニチュア写真のような雰囲気を醸し出している。
ふだん使っているマウスだ。Microsoft Explorer Mouseだ。ブルートラックマウスだ。このマウスもまるでミニチュア模型のようなマウスとなった。この被写界深度の浅さを利用すれば、おもしろい絵作りの写真を撮ることができそうだ。
観葉植物である。被写界深度の浅さがわかりやすい画像だ。部屋で撮影しているのにもかかわらず、シャッター速度が遅くならないのはさすがだ。単焦点レンズの強みだと思う。
北斗星車内で購入した懐中時計だ。文字盤に焦点を合わせると、開いているふたはもうすでにぼけている。
せっかくなのでもうひとつ懐中時計を撮影。文字盤内がピントが合っている。
ネクタイを撮影。
シェービングブラシ。
単焦点レンズはその名の通り焦点距離が単一なので、ズームレンズのようにズームができない。被写体と焦点距離が合わない場合は自ら動かなければならないというデメリットがあるが、これが逆にメリットにもなり得る。焦点距離が単一なので、絵作りに悩む要素がひとつ減る。あきらめがつくというか、自分の取れる範囲に限定できるので、構図をどうするかというほかの要素に頭を回せる。しかも、描写力は抜群だ。
写真を撮る際、どうしても多くのパターンを撮っておきたいという思いからズームレンズを持ち歩き、同じ被写体でも複数のズームで撮影していたが、このレンズをひとつだけ持っていけば撮影がシンプルになりそうだ。あえて制限することにより、いままでにない自分の絵作りもできそうという期待もある。
しばらくはこの単焦点レンズが活躍しそうだ。