様子を見ることの大切さ
行動することばかりが主眼に置かれてあまり重要視されていませんが、「様子を見る」ことは意外に大切です。特に焦って情報に踊らされがちな人は要注意です。
昨今、すぐに行動することに主眼が置かれています。書店に行ってみると、すぐに行動を起こすことを指南するビジネス書が所狭しと並べられ、ネットでもすぐに行動できるためのライフハック記事が量産され、ビジネス雑誌はすぐに行動をと発破をかけてきます。すぐに行動しないことが悪であるような風潮さえ感じられます。
何らかの結果を生み出すためには行動が必要です。行動することで物事が動き出し、結果が伴うのです。だから、行動しなければ成功しないという意見には一理あります。成功には行動することが重要なのでしょう。いち早く行動すれば、いち早く成功できるという理屈なのでしょう。行動しないで後悔するぐらいなら行動して失敗したほうがいいというのはもっともらしい格言です。
確かに行動しないで後悔するより行動したほうがいいのでしょうけど、すぐに行動を起こして後悔しなかったことって多いですか、それとも少ないですか?
ビジネス書などに影響されてすぐに行動を起こしてきた人は、自分の過去を振り返ってみてもらいたいのですが、すぐに行動を起こした場合に失敗が多くないでしょうか。そして、失敗しても行動したからいいんだと失敗を正当化していないでしょうか。失敗が経験できたのだからプラスなのだと。
むなしくならないですか?
すぐに行動して、そして失敗してばかりいる自分に悲しくならないですか。なんで失敗ばかりするのだろうって沈んだりしませんか? 自分はもしかしたら”できる人”になれないのかもしれない、なんて悩んでいたりしませんか。やたら熱くなって行動してばかりで、そして失敗ばかりして、周りの人から煙たがられていませんか。「あいつはうざったい」とかかげて言われているかもしれませんよ。
様子を見ることを覚えたほうがいいです。
様子見って意外に大切です。
すぐに行動してしまうときって、行動の目的となる情報の精査があまいことが多く、見切り発車になりがちです。見切り発車をしてしまうと行動することが目的となってしまい、本来達成するべき目的を見失ってしまうこともあります。また、現代は情報の流れや物事の移り変わりが早いので、焦って行動してしまったあとで、状況が変わることだってあります。
行動を起こして成功率を上げるためには、様子を見ることも大切になってきます。様子を見ることで必要な情報が集まってきて、よりよい行動につなげることもできますし、状況が変わって行動しないほうがいいという結論になることもあります。
短慮な人にならないためにも、様子を見ることをもっと大切してもいいのではないでしょうか。様子を見ることで冷静になることができて、適切な判断ができるようになります。行動しないということにどうしても抵抗があるなら「様子を見るという行動を選択する」と考えてみたらどうでしょう。
情報や状況に踊らされることが多いなと感じたら、次からは少し様子を見るということを心がけてみることをおすすめします。