駅のエスカレーターは下り優先にしたほうがいい

駅のエスカレーターは上りのほうが多いですが、下りを増やしたほうがいいと思います。ひとつしか設置できないなら、上りではなく下りを優先すべきでしょう。

駅にはバリアフリーのためにエスカレーターが設置されています。足の不自由な人にとって階段はつらいものだと思います。エスカレーターがあればどれだけ助けられることでしょうか。

このエスカレーターを見ているとあることに気づくと思います。

上りと下りを比較すると、圧倒的に上りのほうが多く設置されています。エスカレーターが1機しか設置できないところでは、ほとんどの確率で上りエスカレーターになっています。おそらく、階段を上っていくほうが疲れるので、上りを優先してエスカレーターとして稼働させているという理由だと思います。

私はこの上りエスカレーターを優先的に設置しているのを目撃するたびに残念に思います。このエスカレーターは本当に足の不自由な人の視点に立って設置されたのだろうかと思うのです。

まず、足の弱い高齢者や足をけがして満足に動かすことができない人が階段を使うことを考えますと、上りよりも下りのほうが負担が多いと思うのです。上るときは足を上の段に乗せて体重を移動させますが、下るときは下の段に足を落とします。足を落としたときの位置エネルギーが体重にプラスされるわけですから、足にかかる負担は下りのほうがつらいはずです。

次に上りよりも下りのほうが怖いと思うのです。足が満足に動かないということは、転ぶ可能性が高いということです。通常は前に転ぶ可能性が高いわけですが、そういう状態で階段を使うとき、上りの場合は上の段に転ぶだけですからちょっとけがをするだけですみます。しかし、下りで転んだ場合は下まで転げ落ちて命の危険にさらされることになります。転んだときの影響度が違い過ぎるのです。

なのに安心して乗ることができるエスカレーターは下りではなく、上りになっていることが多いのです。

鉄道事業者の経営者や公共施設の管理者は、一度自分の足を不自由な状態にして自分が管理している施設を歩き回ってみるといいのではないでしょうか。下りがどれだけ負荷がかかるか、どれだけ怖い思いをするかを感じてもらえば改善しようと思うはずです。

特に駅は上りエスカレーターが多いので、下り優先にするだけで足の不自由な人に優しい駅になるはずです。バリアフリーのかけ声のもと、機器だけを設置すればいいというものではありません。その機器をどう運用するかが重要なのです。

上る人が多いから利便性を考えて上りエスカレーターなのでしょうか?

混雑緩和のため上りエスカレーターなのでしょうか?

それはなんか違うんじゃないかい。

だいたい健常者はしっかり自分の足で歩けるのだから、階段を使えばいいわけです。エスカレーターは健常者の利便性のためでなく、バリアフリー施設として身体的弱者のために運用すべきじゃないでしょうか。

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