深剃りなら両刃式カミソリ もう5枚刃には戻れない
きっかけはシェービングブラシを買い換えようと思ったことでした。
シェービングブラシの買い替え
髭を剃るときにシェービングブラシを使って泡立てていました。シェービングブラシはアートオブシェービングというブランドのブラシで、その昔、付き合っていた彼女に買ってもらったものです。
もう使い始めて4年ぐらい経ちますし、少々へたってきていて、そろそろ替え時かなと思っていました。別れた彼女からもらったものをいつまでも使っていることが、気分的にあまりいいものではなかったというのもあります。むろん、道具には罪はないので、気にしなければ、誰からもらおうが使い続けていいのですが、日本から撤退したアートオブシェービングをいつまでも使い続け、シェービングクリームもアメリカのamazon.comから取り寄せている状況でしたので、円安になっていることもあり、日本で買えるものにしたいなと思った次第です。
両刃式との出会い
シェービングブラシを探す上で日本のアマゾンで検索してみると、いくつかのブランドが出てきます。ミューレ、メルクール、いずれもドイツの髭剃りメーカーです。シェービングブラシもホルダーも出しています。こうして探しているうちに、ホルダーも長いこと使っていてそろそろ新しくしたい、と気になっていたことを思い出しました。
ホルダーはジレットフュージョンを使っていて、5枚刃の電動式です。単4電池を入れてブルブル震える刃先を肌に当てることで、肌への負荷を下げつつ剃り心地を追求しているようです。
これまで使ったことがある刃はシック4枚刃、ジレット5枚刃で、最近は剃り心地があまりよくないなと感じているところでした。新しい商品はできるだけ試すのですが、新しくなればなるほど、刃の枚数が増えれば増えるほどあまり剃れてない印象のほうが強く、首下に少しザラザラが残るのはしかたがないものだと思っていました。
このようなことを思いながらシェービングブラシを探していると、シェービングブラシや、ブラシをぶら下げておくスタンドがセットになった商品についているホルダーのカミソリの形式が両刃式であるということが分かったのです。
両刃式とは
いままで両刃式という言葉自体を聞いたことがなかったので調べてみたら、1枚の両方に刃がついている形状のカミソリで、それをホルダーにつけて剃るものだということがわかりました。いまのカートリッジ式が出てくる前は、安全剃刀といえばこの両刃式を指していたようです。
形状は薄い一枚の金属の板で、世代によっては「スケバンが武器にするやつ」とか「封筒に入れて嫌なやつに送りつけるやつ」とか、あるいは「ピアノの鍵盤の隙間に入れてコンクールのライバルを蹴落とすやつ」という表現でピンと来るかもしれません。わからない人は30代後半から40代前半ぐらいまでの人に聞いてみましょう。
この両刃式なのですが、先達たちのウェブサイトやブログ記事を見てみますと、床屋で剃ってもらったあとのような剃り心地だが慣れないと顔が血まみれになるという特徴があるようで、鋭いので練習が必要であるというのが調べてみたときの印象です。ただ、すぐに慣れるとも書かれており、調べれば調べるほど、剃り心地がよくなるのであれば試してみたいという思いになってきました。
両刃式とカートリッジ式の違い
両刃式といままで使っていたカートリッジ式の大きな違いとしては、各メーカーで仕様が共通していることと、刃の価格が安いということです。
カートリッジ式のカミソリの替刃はメーカーごとに違いがあります。また、ものによっては同じメーカーでもモデルによって違ってきたりしています。買うときはメーカー指定のものでなくてはいけません。ところが両刃式はどのメーカーも同じ形状です。世界共通仕様なのです。なので、どのメーカーのホルダーでもすべてのメーカーの替刃をつけることができます。
そして大きなメリットとして、替刃の価格が驚くほど低価格ということがあります。例えば、カートリッジ式の代表として私が使っていたジレットフュージョンの替刃は8枚入りで2,290円(amazon.co.jp価格です)、1個あたりの価格は286.25円です。それに対して両刃式は、メーカーによってまちまちですが安くて1枚あたり10円、高くても100円ほどです。
主要な髭剃りメーカーはホルダーを安く売って替刃で儲けるという、IT業界でいうプリンターのような商売をしていることがこの価格差で見て取れます。
ミューレの両刃式を購入
このように、両刃式カミソリについていろいろ調べていくうちに「もう両刃式しか選択肢ないじゃん!」という志向になっていきました。以外と私、単純です。はい。
両刃式のホルダーは基本的にお高いものが多いのですが、フェザーという会社が出しているホルダーは結構安かったりします。ただ、やっぱりシェービングは日々行うことで、上質で満足度の高い道具を使っていきたい、いいものを長く使い続けていきたい、そういう思いがあってミューレのTRADITIONALシェービングセットに決めました。
一緒にシェービングソープと泡立てるためのシェービングボウル、替刃も購入しました。
実際に届いて開封したときの写真を貼っていきます。
シェービングセットです。ホルダーからスタンドからソープからブレード(替刃)まで揃えました。
シェービングセットのスタンドです。右側がブラシを吊るしておく場所で、左側がホルダーを吊るしておく場所です。ブラシは毛が生えている方を下にして保存します。
ホルダーとセットで付いていたブレード(替刃)です。
シェービングブラシです。
ホルダーとシェービングブラシをスタンドにセットしてみました。
シェービングボウルです。少し小さめです。
シェービングソープ、ケース付きです。
シェービングソープのケースの蓋を開けた状態です。
ブレード(替刃)です。10枚2セットで1,100円でした。1枚当たり55円ですね。
シェービングスタンドを横から。
血まみれにはならなかった
先達のウェブサイトで紹介されている限りでは、練習して慣れるまでは血まみれ必至と書いてありましたが、私が剃ってみたところではまったく血まみれになりませんでした。普通にいままでT字カミソリを使ってきた人なら、血まみれになることなく剃れるのではないかと思います。
ただ一度だけ、4回目にして上唇をブシュ!
こういうのは慣れたときが一番怖いのですね。慣れた頃が一番注意が散漫になり、余裕ぶっこいて剃っているうちに切っちゃいました。それ以降は特に鼻の下を剃るときは十分に注意して剃るようにしています。
剃り心地は最高! 肌がツルッツル!
剃る前にまずやることはシェービングソープを泡立てることです。シェービングブラシを濡らし、ソープを上でシャカシャカ回して、あるていど泡がついたあとで、シェービングブラシをシェービングボウルに移してひたすらシャカシャカ回します。クリームのような泡ができたらそれを髭につけてから剃るのですが、泡立てるときはシェービングボウルは大きい方がやりやすいことがわかりました。購入したミューレのシェービングボウルは少し小さかったので、無印良品で木製の食器のボウルを買ってきて代用しています。
ほどよく大きくて使いやすいものを選びました。
剃り方はいろいろあるみたいで、まずは順剃り、横剃り、逆剃りと3回に分けてそるやり方が多く紹介されています。私の場合は順剃りのあと、すぐに逆剃りに入ります。そして、最後に剃り残しを確認しながら指で肌を抑えながら剃っていくと、もう顔はツルツルになります。
だいたい、いつも夜の入浴時に髭を剃るのですが、髭を剃って風呂から出てきてクリームを顔につけたとき、5枚刃のときだったらまだザラザラが残っていてちょっと鬱になりつつ就寝していたものが、クリームをつけるときもツルツルなので、気分よく就寝することができます。
この剃り心地を体験したら、もう5枚刃には戻れません。
いまの髭剃り、本当にちゃんと剃れてますか? ザラザラが残っていませんか? ぜひ、一緒に両刃式の世界を堪能しましょう。