ウェブサイト以上の価値を提供できないならアプリ化するな

ウェブサイトでの機能や価値を、それ以上の利便性で提供できないのであれば、コストをかけてアプリを作る意味はありません。

さまざまな企業が自社のウェブサービスをアプリ化しています。銀行やショッピングサイト、記事を提供するニュースサイト、雑誌もそうですし、宅配便の通知や時間指定、受け取り日時変更などをウェブで提供しており、ブラウザーでアクセスすれば、その価値を享受できます。それらをアプリにして、より便利により素早くサービスにアクセスできるようにするということは、顧客満足度を高め、リピーターを作る上で重要です。

しかし、日本の企業が提供するアプリは、残念な状態になっているものが多いです。企業のサービスをアプリ化したもので、次のような特徴があるアプリは残念アプリです。

  • ウェブ版よりも機能が制限されている。
  • ウェブサイトへのランチャー機能となっている。
  • 読み込みがいちいち遅く、ウェブ版のほうが早い。
  • ウェブ版のほうがユーザビリティが優れている。

このようなアプリなら、ユーザーをイラつかせるだけなので、提供しないほうがいいです。

どうしてこんな残念なアプリが量産されるのかは、おそらく日本企業の構造的な問題なのかもしれません。例えば、SIerなどに頼るしか頭のない企業であれば、多重下請け構造なのでぼったくられます。そこで予算範囲内に抑えるために、機能を削って削って最低限以上に削って、さらに担当者が何を提供すればいいかよくわかっていなくて、「顧客が本当に必要だったもの」状態になっている可能性もあります。

また、企業の担当者の目標(給与がかかっている)が「アプリをリリースする」というのであれば、とりあえずアプリを出せばいいやレベルで、よく考えずにアプリをリリースしている可能性もあります。目標達成(給与確保)のための道具としてのアプリです。

いずれにしても、要はユーザーを、顧客を見ていないのです。そんな企業たちが「おもてなし」なんて言っていたりしますので片腹痛い状態です。

アプリをリリースする意味は、ブラウザーでアクセスしたウェブサイト以上の価値を提供できるかどうかです。とりあえずアプリを作りましたレベルであれば、はっきり言ってないほうがいいです。それが企業自体の評判を下げることになりますよ。

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