MacではAcrobatは必要ない
WindowsではPDFを作成、編集するためにAdobe Acrobatが必要だったが、Macでは必要ない。OSに搭載されているプレビューがほとんどのことを可能にしている。
PDFを作成する機会は増えてきた。以前はそれほどでもなかったが、書籍を電子化してタブレット端末に入れて持ち歩くようになって、いわゆる自炊という行為がはやりだしてから、PDFを作成することが多くなった。私も自炊という言葉ができる前から本棚のスペース確保のために書籍の電子化を行っている。また、作成したファイルをそのアプリケーションが存在しないプラットフォームで共有するためにPDFに変換する必要があった。
その際にAdobe Acrobatを利用する。最近ではサードパーティー製品が充実してきているが、PDFの仕様が公開されるまではAdobe AcrobatのみがPDF出力を行うことができた。私もバージョン4からバージョン8までAcrobatを購入してきた。いまでもWindowsでPDFを作成する場合は別途ソフトウェアをインストールする必要がある。高度な編集機能を使いたい場合は有料のソフトウェアを使わなくてはいけない。その最高峰がAcrobatだ。
だが、MacではOS標準でPDFに必要なほとんどのことができてしまう。Mac OS XではPDF作成に対応しており、アプリケーションの「プリント」メニューから「PDFとして保存」を選べば、アプリケーションで作成したファイルをPDFとして書き出すことができる。また、Mac OS Xにはプレビューという機能がついている。このプレビューでPDFを閲覧することができるし、注釈として図形やテキストの下線や取り消し線、マーカー、テキストボックスの追加、メモの追加などができる。複数のPDFを結合することもできるし、ページの削除や空白ページの追加、ページの回転など高度な編集機能もついている。
唯一できないのが目次(Acrobatでの「しおり」はMac OS X プレビューでは「目次」というらしい)の追加ぐらいだ。それも、数百円程度の安いアプリが出回っているので、コストとして大きくない。OSの標準機能でここまでできるのであれば、出版社や印刷屋さんでもない限り、もはやAcrobatは不要だ。AcrobatはStandard版で3万ぐらいするので、それを考えるとMacもそんなに高いというわけではないなと。
Macのプレビュー、なかなかいい機能である。