中島梓の小説道場に新版が出てしかもKindle化されてるぞ!
中島梓(栗本薫)の小説道場がKindle化されて発売されているのを発見し、思わず勢いで即買いしてしまいました。
中島梓とは?
私は好きなグイン・サーガシリーズを読み続けていたので、栗本薫として親しんでいました。評論を書くときは「中島梓」名義、小説を書くときは「栗本薫」名義と使い分けていました。
栗本薫作品をよく読んでいた私は、同名の主人公が出てくるぼくらシリーズや伊集院大介シリーズを学校の図書館で借りては読んでいたものです。ホラーやSFなども書いており、短編集の中の「忘れないで Forget me not」なんかは強烈な印象が残っています。
特に好きなグインサーガシリーズは高校生の頃に読み始めて(すでに20巻以上出ていたと思う)、大人になってようやく最新刊に追いつきます。あとがきが長いのが有名で、あとがきを読むのがひとつの楽しみになってもいました。長年読み続け、作者の死後に発売された未完となった130巻を本屋で手に取ったときは、その薄さについにこの日が来てしまったのかと感慨深いものがありました。
中島梓としては、おそらくいまでも通用すると思われる「コミュニケーション不全症候群」が印象深かったです。
小説道場で文章指南
小説道場も中島梓名義で書かれたもので、当時「やおい」や「JUNE」という言葉で表現された、いまで言うところのBL(ボーイズラブ)分野を主として、作家を育てる目的としていたものです。
門下生からの作品を批評することで、小説や文章の書き方などを指導するようすが書かれていて、BL好きじゃなくてもためになる作品です。視点で一人称か三人称かでどのように書き分けなければならないかや、文章のテクニックなども語られています。
私が以前書いた投稿も、この作品の一文をうろ覚えで記憶に残っていたものです。
買ってみて正確な引用ができるようになったので、引用してみます。
これはつまり一つの事なんだと思う。「程」「様に」「位」って漢字で書いちゃうのも(この三つは全面的に禁止する。「ほど」「ように」「ぐらい」とひらいてお書き、それだけでけっこうアマチュアくささがへるんだよ)ストーリーのすすめかたも、会話がなくってよになっちゃうのも――知らないんだと思うのよね。何というか、小説をちょっとしたことでぜんぜんカッコいいものにみせるコツみたいなものを。
『新版・小説道場1』 第十回
なんと、かっこ書きの中の一文だったのですね。
その頃、私は小説家か何か文章を書いて生計を立てるような職業に就きたいと考えていましたので、タイトルと好きな作家というだけで、ほぼジャケ買いで小説道場を手に入れました。初めて触れたBLに少し引きつつも(うぶな高校生だったからね)、好きな作家のテクニックを自分のものにしようと、何度も読んだものです。
新版を読むぞ
デジタル化されて出てきた新版を、成長した大人になって読んでみてどんな感想を持つのか。高校生の頃に読んで文章の書き方に影響を受けた身としては、いま読んでみてどんなことが新たに学べるのか楽しみであったりします。
Kindleでいろいろ買いまくっているので、読み始めるのはもう少し先のことになるかもしれませんが、昔を思い出しながらじっくりと作品に浸ってみたいと思います。
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