使いづらいWebサイトがいまだに多い

Webサイトはユーザーに向けた情報の窓口である。積極的に情報を発信していくのであれば、Webサイトにこだわったほうがいい。だが、こだわり方が間違えた方向に行きがちだ。見た目重視ではなく、情報へのアクセスのしやすさを重視するべきである。


Webサイトを使っていてイライラするページに出くわすことが結構な確率である。個人のページではない。ポータルサイトでもない。企業のページだ。どの企業も見た目を重視した作りになっている。見た目を重視することはすばらしいことだが、ユーザーの操作性を無視した作りになっているのでイライラさせられる。情報へのアクセスが難しいサイトが多い。

ひとつの原因にFlashの多用がある。Flashはゲームや映像作品を作るのに便利なツールだ。またWebサイトのちょっとしたアクセントとして用いるには優れた効果を発揮する。だが、操作系にFlashを使っているために、情報へのアクセスのしづらさにつながり、ユーザーにイライラさせている。

まず、企業サイトに訪れたときに画面いっぱいに映像を見せるスプラッシュスクリーンはやめるべきだろう。そんな映像はユーザーは求めていない。完全に企業側の自己満足である。スキップで飛ばせればまだいいほうだ。スキップがついていても途中までスキップしてから続きの映像を見せるところもあれば、スキップすらついていないサイトもある。ユーザーは企業の自己満映像を見るために訪れたのではなく、製品情報や企業情報が欲しいので訪れたのだ。スプラッシュスクリーンを見せる企業のWebサイトは「うちの製品はさておき、こんな映像を作ったのでまずはこれを見てください」と言っているに等しい。

テキストの情報をFlashとして載せているサイトもある。Flashなのでコピーできないのだ。また、ブラウザのサイト内検索も使えない。ユーザーは検索で情報を素早く見つけ、テキストをコピーしてメモしておき、他の製品と比較検討したいのだ。テキストが検索できない、コピーできないのはユーザーに自社製品の情報にアクセスするなと言っているものだ。そんなに自社製品の情報にアクセスしてほしくないのであれば、製品情報をWebサイトに掲載しなければいい。

同じ理由で、右クリックを抑制しているページもあるがこれもやめたほうがいい。コピーだけなら右クリックじゃなくてもできるが、サイトの情報を元に右クリックのメニューから別の機能にアクセスしたりしたい場合の操作性を犠牲にしている。おそらくソースコードを見せたくないという理由なのだろうが、右クリックを抑制してもソースコードは見ることができるし、ちょっとしたコードを書いてブラウザのアドレスバーから実行すれば、右クリック抑制なんて簡単に解除できるのだ。ブラウザはHTMLのソースコードを解析してページを表示している。ソースコードを見せたくなければWebサイトは作るなということだ。

操作性という観点からWebサイトのメニューをFlashにしてアニメーションするのもやめたほうがいい。ブラウザ内でのアニメーションは結構負荷がかかるので、もたついたりして遅い。その遅さがユーザーのイライラを助長させていることに気づくべきである。

いろいろなサイトを見ていて特にひどいと思えるのは外資系ホテルのWebサイトだ。すべてがFlashで構成されており、ロビーなどの雰囲気のいい場所の写真やイメージ写真ばかりで、肝心の部屋の写真もなければ部屋の情報、料金などの情報もない。レストランのメニューすら掲載されていない。サイトのバイト数の多さの割には情報量がきわめて少ない。こういうホテルがおもてなしがいいとはとうてい思えない。

こういうことが起こる原因は何だろうか。これは想像に過ぎないが、おそらくWeb制作者側は受注単価を上げたいためにFlashを作りたいし、ページ数を無意味に増やしたいので、スプラッシュスクリーンや少ない情報量のページを多数用意して、見た目重視の提案をしているからではないだろうか。また、発注側もユーザビリティの理解が皆無な上層部の決済を通すために見た目重視に走っているのではないか。上層部もWebサイトのアクセスのしやすさについてユーザー目線で見つめるべきだが、パソコンすら使えないことが多いので面倒なことを部下に任せっきりにしているのではないだろうか。

もう一度ユーザー主体のWebサイトを構築するために、ユーザーの目線になって情報のアクセスのしやすさを重視したWebサイト作りをしてもらいたいものである。