路上の新人研修の名刺交換には応じるな!
路上で「新人研修の一環で名刺交換の練習をしています」と言って名刺交換を迫ってきたらスルーしましょう。新人がどんなにかわいくてもどんなにイケメンでも、不動産のしつこい勧誘を受けることになります。
仕事が終わった帰りにスターバックスによりました。大好きなダークモカチップフラペチーノのエクストラソース(チョコレートソース多め)、チョコレートチップ追加を堪能し、帰宅するために京葉線に向かっていたときのことでした。
東京駅のすぐ近くを歩いていると、右前方から声をかけてくる人がいました。女性の声でした。ふと声がしたほうに目をやると、ショートヘアでリクルートスーツを着て、すらっとしたスタイルのいい若い女性が手に何かを持って近寄ってきました。
(すごくかっこいいですよね。私、一目惚れしちゃいました。自分でもこうやって男の人に話しかけるのが信じられないぐらいです。でも、私はこの機会を逃したらいけないと思って… もし私でよかったら… 私どうなってもいいので、一晩だけでもいいので私を抱いてくれませんか? もし気に入っていただけたら、ぜひお付き合いしていただきたいです。あなたの彼女になりたいんですっ!)って話しかけてくると思ったのですが、現実はそれほど甘いものではありませんでした。
「新人の研修で名刺交換の練習をしているんですけど、名刺交換していただけませんか?」
嗚呼、この手のやつか…
よく見ると、手には名刺入れを持って、上に名刺を1枚載せているではないですか。私は左手を彼女のほうに向けて拒絶のサインをしたまま京葉線のほうに歩いていきました。もはや、彼女のほうを向くこともありませんでした。
「そんなに悪いやつじゃないんですけど…」
彼女の声がむなしく聞こえてきます。”そんなに”悪くないということは、少なくとも”悪い”ということだろうと考えながら歩いていくと、あきらめたのかだんだんと気配が遠のいていくのがわかりました。
さっきのフラペチーノで癒された気分が台無しになった私は、京葉線に向かう途中にあるコンビニでキットカットとジュースを買って、電車の中で再び気分を紛らわせるはめになりました。
路上で新人研修という名目で名刺交換を迫ってくる人に応じてはいけません。
新人だからがんばっているだろうというちょっとした上から目線な心や、相手がかわいい女性ならば「もし仲良くなれれば…」なんて下心もあるかもしれませんが、あとから出てくるのはいかつい男で、高額な不動産の契約を迫られることになります。国民生活センターの報告によれば、暴力行為や脅迫まがいの勧誘が続くようです。
新人研修中と言うので路上で名刺交換に応じたら、その後しつこくマンションの勧誘を受けた_国民生活センター
まず、個人情報である名刺を路上の知らない人に渡す行為がいけません。あなたの名刺にはあなたの名前、所属する会社と部署、連絡先が書いています。その名刺を渡せば、それらの情報を相手に渡すことになります。会社に不動産の営業の電話がかかってくれば、あなたも困るでしょうし、仕事仲間も困ります。軽はずみの名刺交換が会社にも迷惑をかけるのです。
もちろん、あなたが個人事業者で自分が経営者で従業員も自分ひとりで、何があっても返り討ちする自信があって、ブログネタにでもしたいというのであれば止めませんけど、「君子危うきに近寄らず」という言葉もあるように、基本的には相手にしないほうが面倒がなくていいです。
後々しつこい勧誘の電話がかかってきますし、まかり間違って会ってしまうと契約するまで帰してもらえないような事例もあるようです。
相手も新人だろうし、名刺が集まらないと上司に怒鳴られるだろうし、なんて考えは不要です。相手はあなたを食い物にしようとしています。名刺を集めている新人にはその気はなくても、結果としてあなたを食い物にする企業の手助けをしているのです。
情けは無用です。
とっとと立ち去りましょう。
まあ、あなたがナンパ師で自分の個人情報をいっさい渡さずに「いつまでそんなことやっているの? 自分でも何をやっているかわかっているでしょ。自分がいる会社がブラックだってことも。そんなところ、いま付けで辞めちゃいなよ。逃げちゃいなよ。いまから再就職を目指しても十分間に合うよ。君ならもっといい会社に入れるから。そんな会社であきらめちゃダメだよ。もう、会社に戻らなくていいから、今日はぼくの胸に飛び込んでおいで!」なんてそそのかしてお持ち帰りできる自信があるのであれば止めませんけどね。
まともな人だったら、相手にせずに無視して立ち去るようにしましょう。
そして、あまりにしつこい場合は警察に駆け込みましょう。
相手にしない。これが一番の対策です。