小さな一歩を踏み出そう

どんなことでも、何かをはじめるということはしんどいものだ。初めての何かというのは、いままでと違うことをするということ。異質なことは受け入れにくいものである。

人間というのはいまの自分を保っていたいものだ。いま現在の自分が一番いいのだ。いまの自分がどんな自分であっても、いまの自分を保とうとするのが人間というものだ。どんなに幸せであっても、どんなに不幸せであっても、どんなに楽しくてもどんなにつらくても、いまの自分を維持していこうとする生き物だ。だから、何かをはじめようとすると、いまの自分を保っていたいもうひとりの自分が邪魔をする。

何かをはじめて三日坊主になったり、続けていくうちにモチベーションが落ちて、やっている自分がバカらしくなったりしてしまうのは、もうひとりの自分が今のままがいいと言っている証拠なのだ。もうひとりの変わりたくない自分が邪魔をしているのだ。

人は変わらなくていいのだろうか。いや、それは違う。人は変わらなくてはいけないし、変わることで成長していくものだと思う。変わり続けなくては成長はない。走り続けなくては進むことはできない。だから、人は新しいことを学び、新しいことを経験していき、そしてまたそれらを元に新しいことをはじめていくのだと思う。

変わりたくない自分がいる人間がうまく変われるためにはどうすればいいのだろうか。私は小さな一歩を踏み出すのが一番いいと思う。はじめの一歩は小さくして、変わりたくないもうひとりの自分をだましてしまうのだ。

どんなことでもはじめの一歩を踏み出すのが一番大変だ。だから、その一歩は限りなく小さくてもいいと思う。いきなり大きいことをやって、その場限りで終わるよりも、小さくはじめて徐々に大きくしていった方が力になる。最初に大きいことをするのは難しいものだ。それに、何しろ最初に大きいことをやってしまったら次がないではないか。大きいことの次はさらに大きくなくてはいけない。でも、それは無理があるというものだ。

だから、最初は小さく一歩を踏み出そう。静かに、そっと、誰にも気づかれないように。誰かに気づかれるのは大きくなってからでも遅くはない。いきなり、何かをはじめたことを宣言しなくてもいい。周りが気づいたときにはすごいことになって驚かれているぐらいがちょうどいい。

どんなに小さな一歩でも大切にしていこう。それがのちに大きな力になるのだから。