ITリテラシーが低い人にガジェットを勧めるときの注意点
最新の電子機器である、いわゆるガジェットにそれほど詳しくない人がガジェットに興味を持ち始めたときは、その持とうと決断した勇気を歓迎してあげたい。その決断が揺らがないように相手にガジェットのことを説明する注意点をまとめてみた。
ガジェットとはいわゆる最新の電子機器のことで、好きな人は好きだが興味のない人にとっては何がどうなっているのかさっぱりわからないことが多い。そんな興味のない人がある日突然ガジェットに興味を持ってきたとき、この記事を読んでいるであろうあなたにガジェットについて聞いてくるだろう。せっかく興味を持った状態を萎えさせないようにガジェットについて語るのは意外に難しいものだ。ついつい自分の知っていることをここぞとばかりに話して相手を圧倒してしまう。その結果、相手は「もう、いいかな」と思ってガジェットに対する興味も失ってしまう。そうならないように、ガジェットに詳しい人がそうでない人にガジェットに対する興味をそがないように説明するにはどうすればいいのかをまとめてみた。
相手のレベルに合わせて話す
これは最も重要である。相手はガジェットをはじめて触れるのである。予備知識は全くない。ガジェットの世界では当たり前のように思えることも知識として備えていない。だから、このぐらいのことは知っていて当たり前だし知っていないと話が進まないということも、最初から丁寧に説明してあげる必要がある。そんなことぐらい調べてからはじめて聞きに来いという態度は傲慢であるし、そんなあなたはおそらくガジェットに対しての理解が低いに違いない。
まず第一にガジェットに対する全容を相手に理解してもらうことから始めなくてはいけない。そのためにはわかりやすい言葉で、ときにはたとえ話も交えながら説明していく必要がある。その際には正確さは犠牲にしてよい。というか、正確さを犠牲にしなくてはわかりやすく話すのは無理だろう。わかりやすさと正確さはトレードオフの関係にある。全容を理解してもらうために、最初は間違いであるとしてもわかりやすいのであれば気にせずに説明する必要がある。ガジェットに詳しい人にとって間違いであっても、そうではない人にとってはどうでもいいような問題が多い。だから、多少ニュアンスが違ってもわかりやすさのためなら思い切った切り捨てや言い回しを使って説明すべきである。細かい話は、相手がある程度の理解ができてから、その次のステップで遅くはない。
また、周りでその説明を聞いているガジェットに詳しい人は「それは違う!」などといちいち茶々を入れない。説明している人はそれを承知で説明しているのだ。あなたのガジェットの詳しさを披露する場ではない。
ガジェットの世界に始めて入る人は言葉を知らないことが多い。どんなに当たり前だと思える言葉や、ガジェットに詳しい人にとってこんなことはもはや世間的に常識ではないかと思えるようなことでも、最初から言葉の定義を説明する必要がある。そのためには自分が曖昧なままの理解ではいけない。日頃から言葉の意味を正確に話せるようになっていなくてはいけない。
そして相手は同じような質問を繰り返してきたり、同じことを何度も聞いてきたりするだろう。そんなときには、何度も何度でもわかるまで丁寧に説明を繰り返すことが必要だ。「それはもう説明しただろ!」と言ってはいけない。相手ははじめてガジェットに触れるのだ。そう簡単に理解できるわけがない。根気よく何度も嫌な気分にならずに説明しよう。それが嫌ならあなたはガジェットについて語る資格はないと思う。
相手との問答を続けているうちに、相手の間違いに気づくこともあるだろう。いくら丁寧にわかりやすく説明しても、相手が間違って理解していることもよくある。そんなときは、相手の話を途中で切って間違いを正すのではなく、まずは相手の話を最後までよく聞こう。その上で違うと言い、相手の間違えている点を丁寧に説明してから、正解を話すようにすると相手の理解も変わってくる。
相手がわかるまで根気よく話し込む、これが大切だ。
自分の主義、嗜好を押しつけない
ガジェットを説明するときに、ついつい自分がひいきしているものを全面に持ってきて、相手もそれを選ぶように誘導してしまいがちだ。だが、それはいけない。自分が好きなガジェット、嫌いなガジェットも同じように公平に説明するべきである。自分は自分、相手は相手である。自分の好きなものを相手に押しつける行為は傲慢である。相手が何を選ぼうがそれは相手の選択だ。ガジェットに詳しいことを楯にとって相手を誘導する権利はない。
相手がすべての説明を聞いて、その上で相手が自分の主義や嗜好と違うものを選んだとしても、その決定を祝福してあげることだ。自分の持っているガジェットと違っているからといって批判してはいけない。相手はガジェットに詳しいあなたの話をすべて聞いて、最後は自身の考えを持って自身の意志で判断して選んだのだ。自分と同じでないからといって、批判したりそのガジェットを悪く言ったりする行為は大人げない。そんなことをすれば、その人は二度とあなたに相談することはなくなるだろう。
私のケーススタディ
彼女は学生でいわゆるアナログな人間で、携帯電話すらできれば持ちたくないと考えるような人だ。パソコンでもCPUのスペックやメモリー、ディスクの容量なんて気にしていない。そんな人はスペックや機能の多さよりも「かわいい」か「かわいくない」かで選ぶ傾向が強い。そんな彼女がスマートフォンを導入することを考えていた。
私はAndroidが好きでXPERIA X10を保持している。国内メーカーのスマートフォンはバージョンアップが弱いので、次に買うときも海外メーカーのグローバルモデルがいいと思っているし、できれば彼女にもそうしてほしいと思っていた。
そんな私が彼女のスマートフォンの導入に際して、スマートフォンについていろいろ説明した。最近の動向から、国内メーカーと海外メーカーの対応の違い、国内限定機能がついたモデルとグローバルモデルの違い、AndroidとiPhoneの違いを説明した。私としてはApple製品は選んでもらいたくないが、自分の知っている範囲でなるべく公平に説明したつもりだ。
そして、最終的に彼女はiPod touchを選択し、一緒に「かわいい」キキララのカバーを購入するにいたった。それは彼女が私の話をすべて聞いて内容を理解して、その上で自分の考えを述べた上でiPod touchがいいと言った。そして、いま持っている携帯電話を使い続けるという決断にいたった。
私はその決定を尊重している。