国民公園、国立公園、国定公園、国営公園の違いとは
先日、新宿御苑に行きました。新宿御苑の入園券に「国民公園 新宿御苑」と書いてあるのを見つけ、国民公園ってなんだろうと思って調べてみました。
「国」が付く公園には私が調べたところ4つほどあり、それが「国民公園」「国立公園」「国定公園」「国営公園」です。このうち、「国立公園」「国定公園」が「自然公園」というもので、「国営公園」が「都市公園」、「国民公園」が自然公園でも都市公園でもないものという区分けだそうです。
自然公園
自然公園法に基づく公園で、主に自然や景観を保持するために国や都道府県が指定する公園です。国が指定する公園に「国立公園」「国定公園」、都道府県が指定する公園に「都道府県立自然公園」があります。
国立公園
国が指定して管理する公園です。環境大臣が指定します。環境省によれば、日本の国土面積の5.6%が国立公園に指定されているそうです。2015年3月31日現在では、国立公園の62.2%が国有地、12.4%が公有地、25.7%が私有地だそうです。伊勢志摩国立公園は公園区域の9割以上が私有地とのこと。1
国立公園内には人が住んでいることもあり、農林業などの産業も行われているとのことです。国立公園というと、誰も住んでいない自然ばかりのところという印象でしたが、人が普通に生活している場所も何気に国立公園として指定されているのですね。
なお、所有区分が不明な場所が0.7%ほどあるみたいです。詳細は2014年のデータになるのですが(なぜ最新版が公開されていない…)、上信越高原で40ヘクタール、慶良間諸島で739ヘクタール、西表石垣で295ヘクタールあるそうです。年間利用者は3億5千万人ほどで、例えば、2013年では3億5495万人が国立公園に訪れているそうです。2
ちなみに日本の世界自然遺産である屋久島、知床、小笠原諸島は国立公園として指定されています。白神山地だけは、国立公園でも国定公園でもありません。現在は32箇所が国立公園となっています。
国定公園
国が指定して管理を都道府県に任せる公園です。国定公園の所有区分は、2015年3月31日の段階で、45.9%が国有地、14.6%が公有地、39.4%が私有地とのことです。年間利用者数は2013年で2億7862万人だそうです。2
国定公園は国立公園に昇格することもあります。現在は56箇所が指定されています。
都市公園
都市公園法に基づく公園で国が設置するものが国営公園で、都府県の区域を超えるような広域の見地から設置するものだったり、国家的記念事業で優れた文化的遺産の保存と活用を図るために設定するものだとのことです。
国営公園
都市公園法に基づき、国土交通省が管轄となる営造物公園です。2015年現在、17箇所ほどあります。
国民公園
国民公園は環境省設置法に基づいて環境省が維持管理する公園です。皇居外苑、京都御苑、新宿御苑が国民公園で、プラスアルファで千鳥ケ淵戦没者墓苑が入っています。千鳥ケ淵戦没者墓苑は、公園の性格を有する墓地公園だそうです。3
まとめ
「国立公園」「国定公園」が自然公園法、「国民公園」が環境省設置法、「国営公園」都市公園法に基づいています。所轄も「国立公園」「国定公園」「国民公園」が環境省、「国営公園」が国土交通省となっています。
国土交通省のウェブサイトで「国営公園の制度の概要」にある「国営公園の位置づけ」の図がわかりやすいです。ちなみに、図の中の「環境庁設置法」はいまの「環境省設置法」です。環境庁が環境省に格上げされたときに廃案になっています。昔から図が更新されてねぇ。
でも、いちばん驚いたのが、環境省のウェブサイトが何気にレスポンシブデザインになっていたことです。
- 環境省_ようこそ国立公園へ ↩
- 環境省_自然保護各種データ ↩
- 環境省_国民公園及び千鳥ケ淵戦没者墓苑 ↩