新宿三越アルコットのライオンの勇姿
新宿三越アルコットは2012年3月31日をもって閉店する。82年間の歴史に幕が下りる。
閉店の前にライオンの勇姿を写真に収めたくて新宿に向かった。
時代の移り変わりは早いもので、栄華を極めた三越もいまや伊勢丹と合併し、そして新宿の店舗がなくなろうとしている。私が初めて新宿に来たときは、まだ新宿三越の建物はふたつあった。いまの新宿三越と、現在では大塚家具になっている建物だ。大塚家具の建物はかつては南館として存在しており、最上階には三越美術館があった。南館でも現在の三越でも買物をしたことがあるし、店員の素晴らしい対応に思わずうなってしまったこともある。南館のトイレの個室の広さに驚いたこともある。ルイ・ヴィトンやティファニーでプレゼントを買ったこともある。そんな思い出深い三越の歴史が今日終わろうとしている。
三越の跡地にはビックカメラが入ることになっているらしい。ヨドバシカメラ、ヤマダ電機、ビックカメラ、新宿はデパートの多い街から家電量販店が多い街に変わろうとしている。景気の悪さやファストファッションの台頭、さまざまな要因はあるだろう。もう、デパートで一流品を買うような時代ではないのかもしれない。
一流品の質の高さに感心したり、そのブランドが培ってきた歴史、ブランドがブランドとしての地位を確立してきた軌跡に思いを馳せたりする人が少なくなってきたのだろう。
ひとつの歴史が終わりを告げようとしている。
ライオンは何を思いながら閉店のようすを見つめているのだろうか。