「様に」「程」「位」を「ように」「ほど」「くらい」とひらがなで書くと文章の素人臭さが減る
文章を読んでると、漢字で書きすぎていることが多く見受けられます。漢字よりもひらがなのほうがいいところもあるのです。全体のバランスを見ながら漢字とひらがなをうまく組み合わせましょう。
タイトルになっている例は高校時代に読んだ中島梓(栗本薫)の『小説道場』に書かれていました。
うろ覚えですが、次のように書いてありました。
「様に」、「程」、「位」を漢字ではなく「ように」、「ほど」、「くらい」とひらがなに開くだけで文章の素人臭さが減る。
なぜ覚えているかというと、この本を読んでから文章を書くときに鉄則として必ず守ってきたからです。たったこれだけですが、文章が遙かに読みやすくなります。
たとえば「花の様に」と書くよりも「花のように」と書いたほうが読みやすいです。
漢字1文字をひらがなにするだけで文章の読みやすさが変わってきます。漢字ばかりの文章は読みづらいものです。読みづらければ文章を読むのが遅くなってしまいますし、しまいには読むのをやめたくなってしまうぐらい嫌になってきます。
では、すべてひらがなで書けばいいのかというと、それも違います。漢字だらけの文章が読みにくいように、ひらがなだけで構成された文章もまた読みづらいです。
パソコンやスマートフォン、携帯電話で文章を書くことが多くなり、各端末に搭載されている辞書機能によって難しい漢字でも変換できてしまいます。意識しなければひらがなで書いたほうがいいところも漢字に変換されたものを採用してしまいがちです。
メールを書いて送信する前にちょっと読み返して、漢字ばかりで読みにくいなと感じたら文章のバランスを見ながら、漢字である必要がない部分をひらがなにしていきましょう。
絵文字やデコメにあんなにこだわるんだったら、漢字とひらがなのバランスにもこだわっても罰は当たるまい。
小説道場の新版がKindle版で発売されています。