日本製家電は使いにくい
家電メーカーは自社の家電を選んでもらうために機能を拡充し、新機能を搭載したモデルを発表する。そして、使いにくいものがまた増える。
テレビのリモコンを満足に操作できる人はそんなに多くはない。テレビのすべての機能を把握して、説明書を見ずに直感的に操作できる人は少ないのではないだろうか。これに録画機が加わったらもうカオスである。
携帯電話にいたっては、もう説明書なしで操作できる人はいないのではないだろうか。とりあえず、電話とメールが使えて、電話帳が管理できればいいという人は多いはずだ。特に高齢者は、そんなにたくさん機能はいらないから、もっとわかりやすくしてもらいたいと思う人が多いのではないだろうか。
買ってもらうために新しい機能をつけて、高額で商品を売る。これはある一定の層には受ける。新しもの好き、ガジェット好きは飛びつくだろう。だが、問題はそれ以外の層に向けたわかりやすくて使いやすい商品が出ていないことだ。
ほとんどの人は新しい機能は使わないことが多い。テレビならチャンネルがさくさく変えられて、自分の好きな番組を楽しみたい。録画機なら単純な手順で録画予約をしたい。リモコンを操作するときにどのボタンを押せばいいのか躊躇したくない。録画操作のたびに説明書を広げたくない。そういう思いの人は多いはずだ。だが、それを実現するような商品は日本製には少ない。
日本の家電メーカーは苦戦している。客が本当に望んでいることを実現していないからだ。客はボタンだらけのリモコンにうんざりしている。操作するたびに一瞬固まる。テレビや録画機を買おうにも、新機能がたくさんついていて高額だ。そんなにたくさんの機能はいらない。簡単な操作で単純で手が届く価格の家電がほしいのだ。家電メーカーの自己中につきあっているほどお人好しではない。
なぜ、いまテレビが売れていないのだろうか。もっとも機能的に進化している携帯電話よりも海外製のスマートフォンを選ぶ人が多いのはなぜだろうか。ワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信がついている日本製のスマートフォンではなく、海外メーカーのグローバルモデルを選ぶ人が多いのはなぜだろうか。
日本の家電メーカーは、いま本当にどうすればいいのかを考え直す必要があるのではないだろうか。