フレッツ光 プロバイダー乗り換えで爆速に!
ISPを変更してインターネットに接続する際の速度を向上させることに成功しました。
インターネットに接続するプロバイダーを乗り換えることで、ネット回線を速くすることができました。色々と調べながら試行錯誤してきたので紹介します。
目次
Bフレッツはフレッツ光ネクストに
まずわかりにくいのはNTTの光回線のサービス名です。いっぱいあるのでわかりづらいのですが、Bフレッツはすでに申し込みは終了していて、新規に申し込む場合はフレッツ光ネクストになります。
私は東日本に住んでいますので、NTT東日本に属しています。NTT東日本でBフレッツのマンションタイプに契約をしているのですが、NTT東日本ではBフレッツはフレッツ光ネクストに移行されているようです。
「Bフレッツ ハイパーファミリータイプ」、および「Bフレッツ マンションタイプ」の「フレッツ 光ネクスト」へのサービス移行について | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本
上記のページによると、平成26年度中に以降とあります。現在は平成29年(2017年)ですから、すでに移行は終えています。つまり、NTT東日本管内でBフレッツで契約をしていたユーザーはフレッツ光ネクストに移行されています。
NTTに可能な契約を確認
まず、光回線そのものの速度を高速化できないかを検討してみました。フレッツ光ネクストにはギガマンションタイプなど1Gbpsに対応したサービスがあります。こちらに申し込めば、光回線速度を大幅に向上させることができます。
そこでNTT東日本に連絡し、自分のマンションがそれらのサービスに対応しているか聞いてみます。その結果、マンションには100Mbpsの回線しかなく、利用するには管理組合からの申し込みが必要になるとのこと。NURO光など他社が入っている可能性もあるのでそちらを検討してみては、との回答でした1。
ちなみにNURO光はまだユーザーが集まってないみたいです。4契約以上望めるようになったらオーナーに営業をかける方針のようです。なお、将来的にNURO光に申し込みたい場合はエントリーしておくことができます。
ということで、光回線そのものの速度向上は諦める必要がありました。
ボトルネックはどこ?
そもそも、光回線自体が遅いのか、インターネットに接続する最終のプロバイダーが遅いのか、切り分けをしておいたほうがいいだろうという考えに至りました。そこで、NTT東日本のサービスサイトで実施できる「フレッツ速度測定」というものを実行しました。
このフレッツ速度測定はNTT網内のスピードを図るためのものです。プロバイダーに到達する前段階です。つまり、
自宅 → NTT網
の速度を測定します。その結果、68.4Mbpsなど、だいたい60Mbps台の速度を出していることがわかります。回線そのものの論理値が100Mbpsなので、まあいいほうでしょう。
次に、インターネットに出て行く速度を測定します。これは、スピードテスト | 回線速度・通信速度測定というところで測定できます。Flashを使うので、Flashをインストールしておくか、ChromeでFlashを確認なしで実行できるようにしておく必要があります。この測定では、
自宅 → NTT網 → プロバイダー → インターネット(速度測定サイト)
までの速度がわかります。その結果、だいたい2Mbps台、調子がよくても9Mbpsとかなり遅くなっていることがわかりました。
これでボトルネックが光回線そのものではなく、プロバイダーにあることがわかります。ただし、NTT網内にもうひとつボトルネックがあり、NTT網とプロバイダーをつなぐ終端装置が混雑しているとのことです。ここにアクセスが集まりすぎて輻輳2状態になっているとのこと。この終端装置を回避できる方法がIPv6によるインターネット接続です。
IPv6オプション
フレッツ光ネクストにはIPv6の接続ができるオプションがあります。申し込みが必要ですが、NTT東日本に利用可能な契約の件で電話したついでに聞いてみたところ、電話で頼むと工事費や手数料などで2,000円ほどかかるが、インターネットで申し込むと無料とのこと。
申し込みはNTT東日本のサービスサイトで申し込めます。その際にフレッツ光のIDとアクセスキーが必要になります。工事は10分程度で終了し、終了時にメールでお知らせを送ってもらうこともできます。
これで、IPv6に接続できる準備が整いました。
PPPoEとIPoE
NTTはIPv6の巨大なネットワークを持っており、それをNGN(Next Generation Network)と呼んでいます。このNGNは、マルチプレフィックス問題を抱えています。マルチプレフィックス問題とは、NGNとインターネットの両方から、IPv6のアドレスを形成する128ビットのうち、上位48〜64ビットであるIPv6プレフィックスを受け取ることにより、正しい送信元のアドレスを選べないという問題です。
これを解決するためにトンネル方式とネイティブ方式が出てきました。トンネル方式のほうがPPPoE(PPP <Point-to-Point Protocol> over Ethernet)と言って、アダプタを使ってプレフィックスがNGN当てからIPv6インターネット当てかを判断して、それぞれにあったやり方で通信します。
ネイティブ方式がIPoE(IP over Ethernet)と言って、NGNのプレフィックスのみで通信を行います。プレフィックスは実際にはネイティブ接続事業者がいて、NTTがその事業者から預かったプレフィックスを用います。
問題なのはトンネル方式のPPPoEのほうで、こちらの方式だとNGN内の終端装置を経由してインターネットに出て行きます。IPoEは終端装置を経由せずにネイティブ接続事業者を経由してインターネットに出て行きます。
PPPoEは終端装置を経由する、IPoEは終端装置を経由しない、そして終端装置が混雑していてボトルネックになっている、という事実があります。
なぜこんなにややこしいことになっているのかというと、すべてNTTが悪いのです。ざっくりと端折って書いていますので(というか色々ややこしくて書ききれない)、気になる方はググってみてください。これだけで記事が数本できそうなややこしさです。
簡単に覚えるならPPPoEは微妙、IPoEが正義! というところでしょうか。
現在、ネイティブ接続事業者はBBIX、インターネットマルチフィード、日本インターネットエクスチェンジ、ビッグローブ、朝日ネット、NTTコミュニケーションズの6社です。
IPoEに対応したプロバイダー探し
IPoEが優れていることがわかったところで、いきなりIPoEに接続を変更できるわけではありません。まず、IPoEに対応したプロバイダーを探さなくてはいけないのです。プロバイダーの一覧は、NTTのウェブサイトからIPoEに対応しているプロバイダーの一覧が出てきます。
この中から好きなところでIPoEに対応したプランを契約します。なお、ここに私が18年近く契約して使っているぷららは入っていません。NTT系なのに。
インターリンクのZOOT NATIVE
私が気になったのがインターリンクのZOOT NATIVE(ズット・ネイティブ)です。IPv4とIPv6のハイブリッド式(DS-Lite方式)で、NGNの終端装置を回避するプランです。DS-Lite方式とは、IPv4のパケットをカプセル化して、IPv6の通信としてIPv6ネットワークを経由してからDS-Lite設備でカプセル化を解除して、IPv4向けの接続先に送信されます。この方式は、IPv4 orver IPv6とも呼ばれ、IPv4で接続するためにIPv6を使って通信する方式です。
このZOOT NATIVEの何が気になったかというと、無料体験2ヶ月といつでもやめられて違約金なしという2点です。やっぱり、利用者としてはリスクを抱えたくありません。無料体験が2ヶ月もついているなんて良心的です。それに、いつやめてもよくて、違約金も発生しないなんて、まさにユーザーファーストで他の大手事業者も見習ってもらいたいぐらいです。
契約の際にはフレッツ光の回線があり、IPv6オプションの契約があり、DS-Lite対応ルーターが必要になってくるところです。申し込みの際にはフレッツのIDとアクセスキーが必要になります。DS-Lite対応ルーターですが、先日購入したBuffaloのWXR-2533DHP2が対応していました。
ルーター機能をWi-Fiルータに移行
NTTが設置したRT-400MIからWXR-2533DHP2にルーター機能を移行しました。まず、RT-400MIでブリッジ機能を有効にします。RT-400MIに設定しているプロバイダーの情報を削除して、WXR-2533DHP2をルーターモードにします。ルーターモードにしたWXR-2533DHP2にプロバイダーの情報を設定して完了です。
なぜ、RT-400MIの使用をやめて、WXR-2533DHP2に置き換えなかったかというと、RT-400MIにはひかり電話の回線が接続しています。つまり、電話を使うためにどうしてもRT-400MIは使わざるを得ないのです。
実際のところ、DS-Liteに対応しているルーターだからWXR-2533DHP2を購入してルーター機能にしたわけではなく、まず自宅のWi-Fi機のリプレースとしてWXR-2533DHP2を購入し、WXR-2533DHP2のほうが性能がよさそうだったから、通信を高速に処理してもらうために、ルーター機能をWXR-2533DHP2に移行していました。なので、DS-Lite方式で通信するためには、追加でちょっと設定するだけで完了したのです。
夜でも快適!
インターリンクに申し込んで30分とちょっとぐらいで接続が完了しました。ルーターの設定を変えて、実際に速度を測ってみます。ぷらら経由のときでは2Mbpsが平均でしたが、ZOOT NATIVEに変えて40Mbpsとか42Mbpsとかを叩き出します。21時に計測して40Mbpsでしたので、かなり速いです。このときのフレッツ速度測定で68Mbpsでしたので、若干の速度の低下はありますが、2Mbpsに比べれば爆速です。
多分、何も問題がなければ、このまま2ヶ月の無料体験を過ぎても契約したままでしょう。というか、早速ぷららを解約しようかななんて思っています。
- そんな営業の仕方でいいのNTT東日本? ↩
- トラフィックが集まりすぎて通信ができない状況。例えば、電話回線の例になりますが、有名アーティストのライブチケット発売日に電話が繋がりづらくなるのも、この輻輳が起こっているから。通信がまったくできなくなる前に、回線業者(NTTなど)は、回線を絞って接続数を少なくする対応をします。それが、また余計に繋がらなくなる原因ですが、回線装置自体がダウンして、緊急連絡などが繋がらなくなる事態を避けるための措置です。 ↩