フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行の指針
スマートフォンがはやってきているのでフィーチャーフォン(いわゆるガラパゴス携帯、ガラパゴスケータイ、ガラケーと言われているもの)からの移行を考えている人が増えている。フィーチャーフォンからスマートフォンに移行するときの考え方、また移行するべきかどうかを書いてみた。
目次
そもそもスマートフォンにすべきかどうか
スマートフォンがはやっている。人が使っているのを見ると自分もほしくなるのはよくわかる。では、自分もスマートフォンに移行すべきかどうかを考えると、必ずしもスマートフォンを持つのが適切な選択ではない。自分の用途に合わせて決めるべきだ。携帯電話に使い方を大きく電話とメールやインターネットに分けて考えると答えが出る。
電話を主とする人
フィーチャーフォンを使い続けるべきだ。スマートフォンで通話はつらい。バッテリーの持ちもよくないので、通話するために最適化されたフィーチャーフォンを使って快適な電話環境を維持しよう。
メールやインターネットを主とする人
スマートフォンに移行したほうがいいだろう。スマートフォンはパソコンに近い機能を持っている。GmailやGoogle関連のサービスとの接続は良好だし、インターネットを見るのも便利だ。よく考えてみよう、インターネットさえ使えればキャリアがフィーチャーフォンで提供している有料のサービスが不要な人が多いはずだ。なぜならば、フィーチャーフォンで有料のサービスのほとんどがインターネットでは無料で提供されているからだ。有料のサービスを使い続ける意味はない。
スマートフォンを選ぶときの考え方
スマートフォンに移行する段階になって決めるべきことは、AndroidのスマートフォンにするのかiPhone(iOS)のスマートフォンにするべきか、あるいはBlackBerryにするべきかということだ。キャリアの限定の話を抜きにして語りたい(SIMフリーのiPhoneもいずれ出ることだろうし)。
国内限定機能が必須の人
Androidしか選択肢がない。なので国内限定のおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線が必要な人はAndroidを選ぼう。ただ、AndroidはGoogleが開発しているので、バージョンアップの時に国内限定のサービスもスムーズにバージョンアップできるとは限らない。メーカーがバージョンアップを断念することもある。そのことを頭に入れて、それでも国内限定の機能が必要なら、Androidで国内限定機能がついたモデルを選ぼう。
グローバルモデルがいい人
国内限定機能は使わない、むしろついていてほしくない人にとってはグローバルモデルという選択肢になるが、そうすると選択肢が増える。
グローバルモデルの場合は使い方でまず分かれる
グローバルモデルの場合は、どういった使い方をメインにするかで分かれる。ビジネスメインとして割り切って使うかそうじゃないかのいずれかだ。
ビジネスユースで使う人
BlackBerryを考えてもいいと思う。企業内のバックオフィスとの連携やメールなどの文字の打ちやすさはBlackBerryが優れている。キーボードがハードウェアとしてついているのは大きい。
汎用的に使う人
仕事もプライベートも、あるいはプライベートメインで使う人は好みによって選択が変わってくる。AndroidかiPhoneかだ。どちらがいいかは好みの問題だ。
AndroidとiPhoneはどちらを選ぶべきか
私はよく社会主義国家と資本主義国家の違いと同じと説明するようにしている。つまり次のような分類だ。
統制された整った環境がいい人
難しいことを考えたくない人、ハードウェアとソフトウェアをひとつの会社が開発していて、最適化されて使いやすい環境がいい人はiPhoneという選択肢になる。スティーブ・ジョブズという神様がすべてを決める世界だ。使えるアプリも神様が決める。開発者がAppleのストアにアプリを提供するときにAppleの審査がある。その審査に合格しなくてはiPhoneにアプリを提供できない。そして審査基準は公開されていない。Appleに不利となるアプリやAppleのサービスと競合するサービスを提供するアプリは排除される傾向にある。ここが先の社会主義的な部分である。むろん、ユーザー視点で見るとあるいは安心できる環境といえるのかもしれない。
自由な環境がいい人
Androidはオープンソースで自由に使える。どのメーカーも無料でAndroidを自社のスマートフォンに搭載できる。そして、アプリの審査も行われない。開発者が独自の発想で構築したアプリが提供される。たとえGoogleとサービスが競合するようなアプリであってもGoogleが審査をすることはない。ここが資本主義である部分だ。だが、それが故にアプリの質がまちまちだ。すばらしいアプリもあればできの悪いアプリもある。悪意のあるアプリも出てくることもある。あるていど自分で問題を解決できる力がある、問題を解決する覚悟がある、自分で責任を取ることができる人向けだ。自由には自己責任が伴うのは世の常だ。Android自体がまだ出始めで成熟するにはもう少し時間がかかるので荒削りの部分はあるのかもしれない。だが、今後開発者がAndroid向けにアプリを開発する機会は増えてくるだろう。誰も審査が通るかどうかわからないところにアプリを開発するよりも、登録したアプリが確実に公開されてユーザーの手元に届くほうがいい。
私の場合は開発環境のコストで決めた
ソフトウェアを自分で作ることができる私は、開発環境の追加コスト、維持コストを考慮に入れた。iPhoneの場合は開発にMacが必要になってくる。ある程度の部分まではWindowsだけでもできる部分があるが、最終的にアプリの形にするためにはMacがないとダメだ。私はWindowsユーザーなので、iPhoneを購入する場合は追加でMacを買う必要がある。また、開発者の登録と維持に年間1万円ほどかかる。これがAndroidの場合は、複数のプラットフォームで使えるオープンソースの開発環境が無料でダウンロードでき、開発者としての登録も初回の3000円ほどのみで、維持コストもかからない。それに私はドコモの回線がいいので、Androidということにした。
ちなみに私はフィーチャーフォンとスマートフォンの2台持ちだ。
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