スーツを体のサイズに合わせると安物でもかっこよく見える

ビジネス街で平日の町並みを見回してみよう。あるいは、通勤時間帯の電車や駅を見渡してみよう。たくさんの人がスーツに身を包んでいる。みんなが同じような格好をしている。だが、よく見てみるとスーツをかっこよく着こなしている人とそうではない人が見えてくる。同じスーツなのにある人はかっこよく見えて、ある人はかっこわるく見える。この違いは何なのだろうか。

ひとつの大きな原因に、サイズが合っていないことがある。自分の体とスーツのサイズが合っていないと窮屈だったりだぼついていたりする。スーツを購入するとき、たいていの人は少し大きめのサイズを買うのではないだろうか。体のサイズが変わっても対応できるようにとか、ちょうどよいサイズがないのでひとつ上のサイズであるとか、そのような理由で自分に合ってないサイズのスーツを購入することが多いと思う。

ここでひとつの提案がある。

今度スーツを購入するときは、自分のサイズにぴったりと合ったものを選ぼう。既製品でなければオーダーに走ってみよう。オーダーは安いものでも大丈夫だ。パターンオーダー、イージーオーダー、ビスポーク(フルオーダー)とあり、上のオーダーにしたがって価格は上がっていくが、サイズが合っていればいいのでパターンオーダーでも大丈夫。いまは探せば安くてもオーダースーツが買えるところがある。スーツに使う生地はいいものじゃなくてもかまわない。もちろん、いいものがいいがとりあえずサイズさえ合っていればいい。

するとどうだろう。いままで自分にはスーツは似合わないと思ってきた人でも、スーツ姿の自分がかっこよく写るはずだ。残念ながら自分がかっこよくなったわけではない。スーツがかっこよくなったわけでもない。ただ、体とスーツのサイズがぴたりと合っただけに過ぎない。でも、たったこれだけでスーツ姿がかっこよく見えるのだ。ものは試しである。スーツを買う予定がいまある人は、すぐに自分の体に合ったサイズのスーツを購入してみよう。

もうひとつだけ提案したい。

スーツのポケットにはものを入れないようにしよう。スーツには内側と外側に多数のポケットがついている。ハンカチや財布、携帯電話や定期券、名刺入れなどを入れておくにはとても便利に作られている。だからついついものを入れてしまいがちだけども、それはやめたほうがいい。なぜなら、デザイナーはポケットをつけたとしても、そのポケットにものが入った状態でスーツのラインをデザインしているわけではない。ポケットにものが入っていない状態が一番きれいなラインが出るのだ。

確かにいままでものを入れていて、いきなりそれをやめるのは難しい。でも慣れだ。少なくとも、上着のポケットにはものを入れるのをやめてみよう。それだけでも変わるはずだ。私はパンツのポケットに鍵と懐中時計とハンカチを1枚入れているが、上着のポケットには何も入れていない。本当はパンツのほうも何も入れないほうがいいが、鍵と懐中時計とハンカチならそれほど大きくラインは崩さないだろうと思って入れている。ちなみにベストを着けているときは、ベストのポケットに懐中時計を入れて鎖をボタンから垂らしている。

スーツは体のサイズに合ったものをきて、なるべくポケットにものを入れないようにしてラインをきれいに出すこと。これがスーツをかっこよく着こなすためのコツである。