初代EOS Kiss Digitalでインターバル撮影にチャレンジ

YouTubeでインターバル撮影をした美しい動画を見て自分でも作りたくなった。あまりお金をかけず、手持ちのカメラである初代EOS Kiss Digitalでもできるかどうかチャレンジしてみた。

インターバル撮影の動画は美しい作品ばかりで思わずうっとりとしてしまう。インターバル撮影とは、カメラのシャッターを一定の間隔で切っていく撮影だ。膨大な枚数の写真をつなげて動画にすると、雲や天体などゆったりとしたものの動きをとらえることができる。音楽をつけたり、エフェクトをつけたりして編集していくとひとつの作品になる。

そんな美しい作品を自分でも作ってみたくなった。手持ちのカメラはEOS Kiss Digitalだ。

ええ、初代だけどなにか?

インターバル撮影の動画は初代EOS Kiss Digitalで実現できるのだろうか。EOS Kiss Digitalといえば初のコンシューマ向けデジタル一眼レフカメラであり、エントリーモデルである。その昔、デジタル一眼レフカメラといえば20万円超えの高嶺の花だった時代、Canonが起こした価格破壊のモデルだ。なんと13万円でデジタル一眼レフカメラを手にすることができた。当時としては画期的だった。そんなEOS Kiss Digitalごときにインターバル撮影ができるのだろうか。

初代EOS Kiss Digitalでもインターバル撮影したいっ!

ああ、やったろうじゃないか。

機材の購入

まず、インターバル撮影に必要な機材は何だろうか。調べてみた。

  • デジタルカメラ
  • タイマーリモコン
  • 三脚

とりあえず、これだけあれば撮影はできそうだ。デジタルカメラはEOS Kiss Digitalがある。レンズキットを購入したのでレンズもついている。三脚もある。あとはタイマーだ。タイマーリモコンを買えばいい。そう思ってCanonのページを調べてみると、Canonが出しているタイマーリモコンはEOS Kiss Digitalでは使えない。なんて企業なんだ。

いろいろ探してみると、EOS Kiss Digitalでも使えるタイマーリモコンがあった。JJCという中国のメーカーのTM-Cというものだ。Amazonで6000円ぐらいで売っていたので購入する。

これで、一通り撮影するための機材はそろった。

実際にEOS Kiss Digitalにつないでみる。うん、ちゃんと動く。インターバル撮影を想定してテストしてみた。そして、こんなことがわかった。

なんと、性能上5秒以下の連続撮影は無理!

シャッターが切れて写真がコンパクトフラッシュに保存される。性能が悪いので保存に時間がかかる。保存中に次のシャッターが切れて、保存される写真が増える。バッファメモリがオーバーしてビジー状態になり、タイマーリモコンが動作してもシャッターが切れない。バッファメモリに貯めつつコンパクトフラッシュに保存しつつ、継続して撮影していくためには少なくとも5秒以上は必要だ。性能のいいカメラであれば十分なバッファメモリや高速書き込みで5秒以下のタイマーでも大丈夫なのだろう。だが、そこはさすがのEOS Kiss Digitalだ。そんな酷なことはできない。

もちろん保存形式はJPEGだ。RAWなんてお話にならない。

準備はできた。

撮影

三脚を立ててカメラを設置する。撮影モードは絞り優先に設定。タイマーリモコンを設置する。タイマーは5秒に設定。そしていざ撮影。しばし放置。順調に撮影が続く。

撮影の行為そのものはそれほど難解なことはないが、長時間撮影するのでいかに時間をつぶすかということが大事だ。インターバル撮影は長時間撮影になる。タイマーを5秒に設定しているので、5秒に1回シャッターが降りる。1分で12枚の写真を撮影することができる。動画にすると1秒で30フレーム必要になるので、2分30秒でようやく1秒の動画を作ることができる。途方もない枚数だ。こういうときは読書に限る。

編集ソフトの選定

撮影が終わったら写真をパソコンに取り込んで編集作業に入る。写真を編集して動画にするには編集ソフトが必要になってくる。編集ソフトは持っていなかったので、どの編集ソフトを使うかの選定をする必要がある。編集ソフトの候補を挙げてみた。

  • Adobe After Effects
  • Adobe Premiere Elements
  • EDIUS Neo 3
  • NicoVisualEffects2

これらのソフトの中から編集に適したものを選ぶ。市販のものはまず体験版をダウンロードした。

Adobe After Effects

動作環境が64ビットOSに限定されている。私の環境ではそもそも無理であった。

Adobe Premiere Elements

32ビット環境でもインストールできるので、インストールしてみた。起動して動画を読み込んでみると、うんともすんともしなくなる。重くて使い物にならなかった。こういうソフトはマシンスペックがよくないといけないらしい。

EDIUS Neo 3

インストールすることもでき、動画の読み込みも難なくこなせる。サイズの調整やフリッカーを押さえるためのモーションブラーのエフェクトも簡単に設定でき、レンダリングもよい。ただ、ビデオカードかビデオカードのドライバの相性が悪いのか、何かのタイミングでOSを巻き込んで落ちてしまう。突然画面が真っ黒になり、一切の入力を受け付けなくなる。電源を落とすしかなくなってしまう。機能はいいが、OSごとダウンするのであれば使い物にならない。

NicoVisualEffects2

驚くべき安定。市販のソフトはいったい何なのだろうか。フリーソフトなのに安定して落ちることがない。シンプルで無駄がない。初心者に便利な機能などは市販のソフトじゃないのでついていないが、試行錯誤しながら使っていけば何とか動画を編集できそうだ。

結果としてNicoVisualEffects2を使うことにした。というか、ほかの市販のソフトが使い物にならなかった。

編集

編集はまず多量の写真を動画に変換するところから始まる。NicoVisualEffects2を起動したらフレームを30に設定して連番読み込みを行うことで、編集ソフトが自動で動画を生成してくれる。便利だ。そして、エンコードする。エンコードには時間がかかる。出力された動画を再生すると、ちゃんと動画になっている。感動である。だが、調整の必要はある。

やっぱり作った動画はYouTubeにHD画質でアップロードしたい。なので、動画のサイズをHDのサイズである1920 x 1080に設定する必要がある。横幅の調整と縦位置の調整を行う。次にちらつき防止だ。これはモーションブラーのエフェクトを使う必要があるが、EDIUS Neo 3のようにパラメーターをわかりやすいUIでいじれば簡単に実現できるようにはなっていない。シャッター角度とシャッターフェーズの設定値を少しずついじりながらエンコードして結果を見る。そしてまた調整する。この試行錯誤を繰り返す。この調整に1週間ほどかかった。

そして、せっかく動画を作るならかっこよく文字を表示したい。テキストのエフェクトを作成する。これはさすがにエフェクトのソフトだけあってやりやすい。テキストを編集したら、テキストと動画の切り替え部分をフェードアウトとフェードインでかっこよく仕上げる。

すべての作業を終えたら動画を生成するためのエンコードだ。モーションブラーを設定しているので、エンコードにはかなりの時間がかかった。

オーサリング

動画にはやはり音楽が欲しい。バックに音楽を流しながらインターバル撮影の動画を流すのだ。フリーの音楽を公開しているサイトを探して、気に入ったものをダウンロードした。それを動画にくっつける。

オーサリングソフトにはWindows Live ムービーメーカーを使った。OSに付属しているWindows ムービーメーカーでは1440 x 1080までの動画しか作ることができない。作りたい動画のサイズは1920 x 1080なのでWindows Live ムービーメーカーをダウンロードしてインストールする。

プロジェクトに動画を読み込ませて、音楽も読み込ませる。音楽は最後のほうはフェードアウトの効果をつける。

そしてアップロードだ。

なんと、Windows Live ムービーメーカーは直接Youtubeにアップロードできる。YouTubeボタンをクリックすると動画の名前や説明などを設定する画面が出てくるので、設定してからアップロードする。ただ、説明が1行しか書くことができないので、まずは公開設定をプライベート設定で動画をアップロードする。アップロードが完了したらYouTubeにアクセスして動画の説明を加えてから公開設定をパブリックにして一般公開する。

その動画がこれだ。

初めてのインターバル撮影にしては上出来じゃないだろうか。