MERYに画像を無断利用されたブロガーがDeNAの「第三者委員会調査報告書」を読んで

高校生以来の読書感想文を書いてみたいと思います。読んだものが名作ではありませんがね。

2017年3月13日、DeNAがキュレーションサイトの問題に対して第三者委員会による調査報告書をIRページで公開しました。このkosukety blogでもDeNAが運営するサイトに画像をパクられていたので、読んでみることにしました。

第三者委員会の調査報告書には要約版と全文版があります。

第三者委員会調査報告書(要約版)公表のお知らせ

第三者委員会調査報告書の全文開示公表のお知らせ

要約版が34ページ、全文版が306ページあります。基本流し読みで、気になる部分を精読していくという形で読んでいき、気になった点を挙げました。

直リンクに対する法律屋とエンジニアの感覚の違い

まず、すぐに違和感を感じたのが直リンクに対する法律屋とエンジニアの感覚の違いです。

現状、直リンクによって画像を無断で使用する場合は著作権法違反にならないそうです。著作権法違反になるためには、画像を複製したり、送信可能としたりしなくてはいけないみたい(直リンクだと著作権法違反にならないという現状の法律もどうかと思いますけどね)。

そのため、DeNAの法務部門はMERYを買収するときに、画像をサーバーへ保存していた方式を直リンクへ変更するよう求めたとしています。この第三者委員会の弁護士たちも、倫理的な問題があるというのみにとどめていますし、読み進めると画像のサーバー保存を是正することができなかったことをチェック体制の不備としてあげており、直リンクなら問題がないような記述も見られます。

つまり、法律屋にとって、直リンクにすれば相手のサーバーに危害を加えようが、経済的不利益を与えようが関係ないぜという認識のようです。

我々エンジニアにとって、直リンクは相手のサーバーの帯域を消費するため、相手のサイトをダウンさせるだけでなく、サーバー機器そのものを損壊させる恐れもあり、またレンタルサーバー屋に対するサーバーやネットワークの使用料など増加につながり、経済的な不利益も与えるため、タダ乗りになることをちゃんと認識します。

事実、報告書の中でも、買収の条件としてDeNAの法務部門に画像を直リンク方式へ変更するよう求められたMERYの代表は、社内で相談すると社員たちから反対にあう記述があります。反対の意見として“引用元のウェブページ等のサーバに負担をかけてしまい”とあるように、著作権違反に関する認識は甘かったものの、最低限のネチケットは認識していたことが読み取れます。

画像を無断利用されるほうにとっては、相手のサーバーに保存されるよりも直リンクの方が実害があるので、直リンクのほうがより迷惑ですし、影響度も大きく深刻な問題となってきます。

でも、法律屋は相手が実害を被ってもどうでもいいようです。

なお、kosukety blogでは以下の方法で直リンクに対して対策をしています。

nginxで直リンクを防止する方法

nginxからの直リンクはこれで防げます。

AWSのS3で直リンクを防止するバケットポリシー

AWSのS3からの直リンクはこれで防げます。

上記ふたつの対策で、料金が課金される部分の対策はOKです。それ以外でWordPress.comの無料CDNであるPhotonから直リンクされる分(i0.wp.com、i1.wp.com、i2.wp.comから始まるURL)は、こちらでは防ぎようがないので、放置せざるを得ませんでした(まあ、CDNの画像を直リンク対策注意喚起画像の置き換えとしても使ってましたけどね)。

サンプルの少なさ

37万6671記事のうち400記事しかサンプルとして調査していません。400記事で一体何がわかるというのでしょうか。37万以上もあるのに、400もあれば統計的に十分で、あとは無視というなんだかコピペされた側にとっては、なんとも印象の悪い調査結果となっているなと。

おそらく、DeNAは被害の実態はなるべく表に出さずに、これ以上傷口を広げないよう保身に走っているものだと思います。無断利用で不利益を与えた側に誠実な対応をしようという姿勢がまったく見えないものとなっています。

無断利用に対する対応が見えてこない

最後のほうに提言が載っていますが、オリジナルコンテンツの作成者に不利益や不快感を与えずにメリットを享受できる仕組みを確立させるとあります。しかし、これまでやってきたことに対する償いや補償などの話は見えてきません。

とりあえず、報告書という形を出した上で、うやむやにしてそのまま葬り去ろうという魂胆なのか、あるいは時間をかけてちゃんと対応していこうとするのかは、まだわかりませんが、こちらとしてはすでにサイトが公開停止になっているので、自分の画像がパクられているかどうかを調べる手段がありません。

現時点でこちらから調べるすべがない以上は、DeNA側ですべて調べてもらって、パクリがあったら連絡してもらい、補償してもらいたいものですが、どうなんでしょうかその辺は。

他社はどうする?

リクルートさん、サイバーエージェントさんはこれを見てどうお考えでしょうか。ぜひともその点を公開してもらいたいなと思います。あと、ネイバーくん、君は論外だよ。

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