スマートフォンを無理して買わなくてもいい

みんなが持っているという理由でスマートフォンを持たなくてもいい。パソコンに詳しくない人は従来のケータイのほうが幸せだ。どうしても持ちたい場合の指針も併せて書く。


スマートフォンが流行して、携帯電話会社もスマートフォンを前面に押し出したマーケティングを展開している。各携帯電話会社とも従来のケータイの高機能モデルの展開を縮小している。高機能モデルの代わりにスマートフォンの機種を増やしているのだ。

周りでスマートフォンを持つ人が増えると、自分もそろそろスマートフォンに変えなければいけないと思うかもしれない。だが、ちょっと立ち止まってもらいたい。本当に自分はスマートフォンが必要なのかと。

スマートフォンのトラブルの原因

国民生活センターにはスマートフォンに関するトラブルの情報がある。

[国民生活センター] 急増するスマートフォンのトラブル

機能の高さ

詳細は国民生活センターのページを参照してもらうとして、どうしてスマートフォンのトラブルが増えているのだろうか。まず、原因のひとつにはスマートフォンの機能の高さがある。

スマートフォンは高機能で汎用性が高い、つまりパソコンのようにある程度のことは何でもできる。だから、最近のデジタル機器、IT関連機器に詳しくない場合は、操作慣れするまでには困難を極める。従来のケータイすら慣れない手つきでおそるおそる触っている人にとっては、スマートフォンの操作は遠い未来に来たような感じだ。特にいままでパソコンに触ったことすらない人には、スマートフォンの操作は無理なのだ。

別にスマートフォンを使えない人を馬鹿にしているわけではない。人にはそれぞれ得意、不得意があるので無理をして不幸せになってほしくないだけだ。たとえば、いままで電話とメールしかしていなかった人が、スマートフォンを持って自分でほしいアプリを選んでダウンロードしたり、無線LANと携帯電話のネットワークを切り替えて使ったり、インターネットのコミュニティーで発言をしたりすることは敷居が高い。スマートフォンを持っていても立派な人になれるわけではないし、スマートフォンを持っていなくても立派な人はたくさんいる。スマートフォンを持つことを絶対条件にしないでもらいたいのだ。

スマートフォンを持つ覚悟の違い

ではスマートフォンを使いこなしている人はどうしているのか。スマートフォンを使いこなしている人は、使いこなせずに携帯電話会社に相談をしている人とは、スマートフォンを持つことに対する覚悟が違う。スマートフォンを使いこなしている人はITに詳しく、スマートフォンを持つことによって発生する経済的、技術的なリスクをとる覚悟で臨んでいる。

こういう人は、はなっから携帯電話会社の説明なんて信用していない。携帯電話会社の売り場担当者よりもITに関するレベルが高い人ばかりだからだ。こういう人はアプリも好きなものを自分で探してくるし、場合によっては自分で作ることもある。携帯電話会社がOSのバージョンアップを対応しなくなっても、ネットで公開されている最新のOSのイメージをダウンロードして自分で載せ替えることができる。料金についても理解しているし、スマートフォンがどのように動作するかもわかっているので、パケット2段割引なんて幻想であることをわかっていて、陰で鼻で笑っているのだ。

そしていざというときのために、従来のケータイも所持している場合が多い。いざというときに戻れるように保存しているか、スマートフォンを別の回線契約で所持して、従来のケータイと2台持ちをしている。リスクが高いことを承知でスマートフォンに飛びつくので、リスクヘッジは怠っていないわけだ。新しく出てきた技術やサービスはトラブルが多い。新しいものに飛びつくとき、トラブルが起きたことを想定しているかいないかでは、その後の不便さが変わってくることを、こういう人たちは知っているのだ。

携帯電話会社の情報提供レベルの低さ

スマートフォンは技術革新の速度が速い。そして、携帯電話会社もメーカーも追いつくのが必死である。特に携帯電話会社による顧客への情報提供レベルは低い。携帯電話会社がスマートフォンの最新のトレンドについてくることができていないこともあり、またスマートフォンに詳しい販売員をそれほど多く抱えているわけではないため、顧客へ十分な情報提供ができているとは言いがたい。したがって、販売員によって説明がまちまちだったりする。また、携帯電話会社はスマートフォンを販売したいので、都合の悪いことはなるべく言わないようにしたり、欠点があってもよく見えるような説明をしてしまいがちだ。

しかも1度契約すると2年は解約できないような契約書を突きつけてくる。解約すれば高額な料金を払わなくてはいけなくなる。これは、元々が高価なスマートフォンを安価に売るために、スマートフォン自体の料金を抑えて、通信費をしっかり回収していこうという戦略から来た販売形態だ。だから、携帯電話会社にとっては、安価に売ったスマートフォンを途中で解約されると元が取れなくなるので、途中解約の場合はスマートフォン本来の料金を回収しようとする。だから、よく考えないで契約してしまうと、後々で大変な目にあうが、携帯電話会社によるこの部分の説明も弱い。しっかりと説明しないことが多いので、後々トラブルになるのだ。

考えてみるといい。高機能なスマートフォンが従来のケータイよりも安いわけがない。安く手に入るのは、何かしらの裏があるのだ。世間とはそういうものだ。

国内メーカーだったら安心、安全、高品質という幻想

国内のメーカーが作ったものだと安心、安全で品質が高いというのがいままでの一般的な認識である。だが、スマートフォンに限っていうと、それは幻想だ。国内メーカーのスマートフォンはトラブルが非常に多い。品質が悪い。国内メーカーは成熟していないのだ。

なぜなら、国内メーカーは最近になってスマートフォンに参入してきた。しかも、販売対象は国内だけだ。だが、海外のメーカーはこれまでも世界レベルでスマートフォンを販売してきた。サムスンやソニーエリクソン、モトローラなんてまさにそうだ。技術レベルも対応のレベルも国内のメーカーとは比べものにならない。また、世界レベルで販売しているということはトラブルが発生したときの情報量も世界レベルということだ。もし、ITにそれほど詳しくない人がスマートフォンを持つ場合は、私なら間違いなく海外メーカーのスマートフォンを勧める。

なお、念のために書いておくがソニーエリクソンはソニーの名前を冠しているが、日本の企業ではなく英国の企業である。日本のソニーとスウェーデンのエリクソンの合弁会社である。ちなみに、2011年10月27日に合弁を解消すると発表があった。今後はソニーがエリクソンから50パーセントの株式を取得して、完全にソニーの傘下になる。各国の政府・規制当局の承認を経て、2012年2月をめどに株式移転が行われる予定だそうだ。

それでもスマートフォンを買いたい

まずは落ち着いてもらいたい。

やっぱり、はやりのものに手を出したくなるのが人間だ。たとえ従来のケータイに戻ることになっても一度は経験しておきたい。その気持ちは十分にわかる。だから、予備知識がない状態の人がスマートフォンを買って、ある程度使いこなしていくまでの指針のようなものを書いていきたい。

もう一度だけ必要性を考えてみる

はやる気持ちを抑えて、いま一度、自分にスマートフォンが必要なのかを考えてみる。スマートフォンを持っても電話がメインでたまにメールしかしないのであれば、従来のケータイのほうが便利に使いこなせる。スマートフォンにすると使いづらくなるだけだ。

だけど、スマートフォンを持つことをきっかけとして新しいことにチャレンジしていきたい、電話やメールだけでなく、ツイッターやフェースブック、グーグルプラスなどのソーシャルネットワークに参加したい、音楽や動画をダウンロードしてガンガン見たい、日々の暮らしの中でお気に入りのものや習慣を写真に撮ったり、動画で撮影してアップロードしてみたい、そう思っているのであればスマートフォンを思い切って買ってみよう。

もしかしたら、アップロードした写真や動画、文章などが評価されて人脈が増えたり、一躍有名になることだってある。一般人でも世界中に情報を発表できる場所、それがインターネットだ。インターネットとはあらゆる可能性を秘めた夢のある場所なのだ。

身近な人から情報収集

携帯電話のショップに行こうっ!

まてー!

ちょっと待ってもらいたい。上でも書いたように携帯電話会社の情報提供レベルは低い。どれぐらい情報提供レベルが低いかというと、身近にいる「ITに詳しい人」の足下に及ばないぐらい低いことが多い。だから、身近にいる「ITに詳しい人」にいろいろ教えてもらおう。

しかし、タダでいろいろ教えてもらおうとは考えないでもらいたい。貴重な時間と貴重な情報を提供してもらうのだ。何らかのインセンティブが必要だろう。食事をおごるのもいいだろう。相手が男性なら女を、相手が女性なら男を紹介するのもいいだろう。自分がいらなくなったけど、相手がほしがっているものをあげてもいいし、自分の得意な分野で相手が困っていることの相談に乗ってあげるのもいいだろう。

技術的なこと、料金のこと、スマートフォンの最近の動向のこと、いま買ったほうがいいのかそれとも2、3ヶ月待てば最新機種が販売されるのか、そういう情報を聞こう。ただ、「ITに詳しい人」は自分のひいきにしている技術やメーカー、サービスを押しつけてくる傾向があるので、できれば複数の「ITに詳しい人」に聞いてみよう。いまのところ大きく分けると「Android(アンドロイド)」という単語が多く出てくる人、「iPhone(アイフォーン)」という先頭にiが付いた単語が多く出てくる人に分けられる。まれに「Windows Phone(ウィンドウズフォン)」をいう単語を多く発する人もいる。偏りなくそれぞれに聞いてみよう。「Blackberry(ブラックベリー)」という単語はスルーしてもかまわないと思う。これはコンシューマではなくビジネス向けだからだ。

スマートフォンを買ってもケータイを持っていよう

スマートフォンを購入しても、いま持っている携帯を手放さずに持ったままにしていよう。もしかしたら、スマートフォンはやっぱり合わないのでケータイに戻りたくなる場合がある。その場合、SIMカード(シムカード)という契約者の番号などの情報が入ったカードをスマートフォンからケータイに移し替えるだけで元に戻ることができる。

背水の陣で望んではいけない。

困ったらまず「ITに詳しい人」に相談

スマートフォンを使っていて困ったことがあったり、故障かなと思ったらまずは「ITに詳しい人」に相談してみよう。「ITに詳しい人」にとってそんなに頻繁にサポート代わりに相談されるのは正直うざい。だが、背に腹は代えられないではないか。携帯電話会社のサポートに連絡して、いらんことこねくり回されて時間だけが過ぎるよりもよっぽどましだ。携帯電話会社のサポートに連絡して全く解決しなくても、「ITに詳しい人」に聞いたら「なんだ、それだけのこと?」というようなことも少なくはない。まずは身近な「ITに詳しい人」に相談してみる。携帯電話会社のサポートに行くのは、「ITに詳しい人」が携帯電話会社に持っていってこういう風に話してみてと言ってからで遅くはない。

さわらなければよくわからない

いろいろ書いてきたけど、結局はさわってみないと実感がわかないし、わかるものもわからない。新しいものにチャレンジする気持ちを持って、どんどん積極的にさわっていこう。人間慣れるものである。恐れることはない。スマートフォンに詳しくなって、その体験をほかの困っている友達に伝えたり、ソーシャルネットワークで共有したりしてみよう。みんなの力で問題を解決いていく、そういう時代である。

レッツ エンジョイ スマートフォン!