World IPv6 Launch

2012年6月6日午前9時(標準時0時)に恒久的にIPv6を有効にするというイベントがスタートしました。2011年6月8日に24時間だけIPv6に対応するというイベントがありましたが、これから先ずっとIPv6に対応ことになります。

World IPv6 Launch

これまでインターネットではIPv4で運用されてきました。IPv4というのはInternet Protocol version 4のことで、コンピューターがインターネットに接続するための仕組みの4番目のバージョンです。IPではコンピューターにIPアドレスという番号を割り当ててコンピューターを識別します。IPアドレスは電話番号のようなもので、それぞれのコンピューターに世界でひとつだけの番号を割り当てます。このため、IPアドレスはIANA(Internet Assigned Numbers Authority)という団体がIPアドレスを管理しています。

IPv4では32ビット(2の32乗)約43億個のアドレスを割り当てることができます。インターネットが始まったばかりの頃は十分に多すぎるアドレス数でした。次第にインターネットが普及したことによる接続するコンピューターの増加や、インターネットに接続できる機器がコンピューターだけでなく携帯電話やスマートフォン、タブレットなどのモバイル端末にまで増えたことから、約43億個のアドレスでは足りなくなってきました。

2011年2月3日にはIPアドレスを管理する団体IANAから5つのRIR(地域インターネットレジストリ)に最後のアドレスブロックが割り当てられました。この割り当ては「/8ブロックの残りが5個となった場合に世界にある5つのRIRに1つずつ分配する」というポリシーに基づくものです。「/8」はアドレスブロックの単位で約1678万個のアドレスです。この約1678万個のアドレスをアフリカのAfriNIC、アジア太平洋のAPNIC、北米のARIN、南米のLACNIC、欧州のRIPE NCCに割り当てました。この5つのRIRがその地域のIPアドレスを割り当て終わったらすべてのIPアドレスのが割り当て終了になります。

IPアドレスがこれ以上割り当てられないと、これから増えてくるネットワーク対応機器がインターネットに接続できなくなります。そうした事態に対処するためにIPv6の運用がスタートしました。IPv6はInternet Protocol version 6のことです。IPv6では128ビット(2の128乗)約340澗(かん)個のアドレスを割り当てることができます。約340澗がどれほどすごい数字なのかというと…

一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、じょ、穣、溝、澗(これ!)、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数

* 「じょ」の漢字はWordPressでは表示できないためひらがなで対応。

スーパーコンピューターで話題になった単位「京」のさらに5つ上の単位です。

アラビア数字で並べてみると…

IPv4
2^32 =

4,294,967,296

IPv6
2^128 =

340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456

もう、どれだけ…

IPv6にするとこれだけ膨大な単位のアドレスを割り当てることができるようになります。

2012年6月8日に「World IPv6 Day」という24時間だけIPv6に対応してみるテストが行われましたが、今後はずっとIPv6に対応することになります。

今回のイベントでインターネットを使うユーザーが特に意識することはありませんが、プロバイダーやネットワーク機器のメーカーなどがIPv6への対応を開始する日としての位置づけです。

では日本がどういう状態かというと、GoogleによるIPv6の統計データによれば、

IPv6 Location

IPv6 が幅広く導入されているが、ユーザーが IPv6 対応のウェブサイトに接続したときに信頼性や遅延に関する重大な問題が発生している地域。

だそうです。

日本もいずれはIPv6のみのWebサイトでも問題が発生しないようになってくることでしょうが、移行にはまだまだ時間はかかりそうです。今回のイベントでIPv6の対応は開始しましたが、IPv4がなくなるわけではなく、平行して運用されます。

まだまだIPv4との平行運転が長期間続くものの、IPv6を使っていくぞと世界で宣言した記念日となるでしょう。

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